記事一覧

共産党を忘れるな、始皇帝を忘れるな

西安で最も人を集める観光地は兵馬俑です。現在も似た人形を作って観光客に売っています。行きたくもないのに、中国人ガイドにその兵馬俑人形の売る店に連れていかされました。そのガイドが中国語で、私と同行する中国人にこう言ったそうです。「西安にはこんな言葉があるんだって。共産党を忘れるな、始皇帝を忘れるな」中国で共産党と同列に並べられたなら最大の賛辞です。それくらい始皇帝の観光で儲かっているのでしょう。私が...

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莫高窟と日本人

「敦煌」(井上靖著、新潮文庫)という小説があります。私が大好きな作品で、外国人に物語を英語で何度も伝えたのは「敦煌」と芥川龍之介の「仙人」くらいだと思います。敦煌は中国西域にある都市で、北京、ラサ、桂林、九塞溝などなど私が中国で行きたいところはいくらでもありましたが、敦煌を旅行先に選んだのは小説「敦煌」以外に理由はありません。小説「敦煌」では、莫高窟という洞窟に隠された敦煌文献の由来について書かれ...

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西安事件

第二次国共合作の契機となった西安事件があります。Wikipediaによると、「西安事変がなければ共産党はほどなく消滅していたであろう。・・西安事変が我々の国家に与えた損失は取り返しのつかないものだった」と胡適が述べたそうです。もしその通りなら、現在の中国は資本主義国になっていて、世界史は大きく変わっていたことでしょう。西安事件の舞台になった華清池は西安の主要観光地です。華清池は楊貴妃が湯浴した場所としても...

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西安旅行

上海で働いていた頃、1度だけ長期休暇をとる機会に恵まれたので、歴史好きの私は迷わず西安・敦煌旅行を計画しました。「西安! あの長安! 2000年以上前から存在する大都会! 唐代には世界史上空前の繁栄を謳歌した、あのシルクロードの長安についに自分はやってきたのか!」そう興奮していればよかったのかもしれませんが、そんなことはありませんでした。仕事のストレスや、インド旅行の挫折で、期待度が下がっていたようで...

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J-shineがTESOLよりも価値がある理由

J-shineは日本の小学生に英語を教えるための資格です。TESOLはTeaching English to Speakers of Other Languagesの略で、英語を母国語としない人たちに英語を教える資格です。これだと聞くと、TESOLの方が遥かにすごい資格に思えて、実際、私もカナダで取得することを考えました。私が通っていた語学学校にTESOL取得コースがあったのです。しかし、疑問がありました。J-shineコースの方がTESOLコースよりも明らかに大変そうだった...

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グローバル30で唖然とした英語教員の質

日本の大学国際化を促進させるためのグローバル30という国家事業がありました。英語だけの講義で卒業できるコースを30大学に設けようと国から特別な予算をつけて始まりましたが、結局、13の大学でしか実現できなくて、「thirtyがthirteenになった」と揶揄されたプロジェクトです。その13のうちでも、慶応大学にいたっては、わずか1,2名の留学生だけに英語新コースを設けたと主張して、もはや新設コースとは言えないと、予算の全面...

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誰とでも仲良くなれる人、どこでも上手くやれる人なんていない

タイトル文はわざわざ書くまでもないことですが、多くの人が知らないかもしれないので、書いておきました。逆に「誰とでも仲良くなれない人、どこでも上手くやれない人」ならいると思います。社会は多様です。ある国では上手く生活できても、他の国では上手く生活できないことは確実にあります。ほとんどの日本人はブータンでの農耕生活なんて耐えられないでしょうし、ほとんどのブータン人は日本での会社生活に馴染めないでしょう...

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マレーシアと日本にしかないもの

私が記憶する限りになります。5大陸15ヶ国に行ったものの、日本以外の国ではマレーシアでしか発見できなかったものが二つあります。一つはコインロッカーです。日本だったら主要な駅に必ずありますが、海外では先進国も含めてありません。荷物を預けるとなると、わざわざ人手を使うクロークルームが一般的です。人件費がかかる分、クロークはコインロッカーより明らかに高額になります。私は経験したことはありませんが、英語が話...

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日本でもコネ就職が一般なのか

「新卒一括採用の功罪 」の記事に書いたように、「カナダではコネ就職が一般的なのに、日本ではコネ就職は一般的でない」と私はカナダ人に何度か自慢していました。しかし、そこに日本人がいると「いや、日本でもコネ就職はよくあるよ」とかなりの確率で反論してきました。私は人生で一度もコネ就職をしたことがなく、周りの同僚も誰一人コネ就職をしていませんでした。そんな世界で長年生きてきた私には激怒するような反論ですが...

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ドキュメンタリー「選挙」

先月、パワハラ事件を起こした政治家に関する3度目の記事です。パワハラ事件を起こした政治家と同じく東大卒の自民党公認候補が市議会議員になる「選挙」というドキュメンタリー映画があるのですが、この実話を海外の人はコメディ映画、つまりフィクションだと思ってしまうようです。笑顔のオッサンが名札のタスキをつけた背広姿で地域住民と元気よくラジオ体操したり、選挙カーでウグイス嬢が名前を連呼しながら立候補者が手を振...

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桜蔭中学校・桜蔭高等学校

秘書パワハラ事件を起こした豊田真由子議員の経歴を見て、ふと思いました。「公文は日本最大の飛び級制度なのか」で私が、東大理Ⅲに合格した極めつけのバカと名指しで断定した人と同じ中学と高校卒業です。「下剋上受験はヤクザの作品である」でとりあげた本で、娘が志望していた(志望させられていた)中学でもあります。日本で一番の女子高を卒業して、日本で一番の大学に入って、日本で一番の公務員試験に合格して、世界で一番...

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政治家の秘書はコネ就職が一般的である

先月、元厚生官僚の代議士が秘書に身体的暴力を含んだパワハラを行っていたことが発覚しました。代議士の秘書は私にも知り合いがいます。やはり自民党政治家の秘書だったのですが、「政治家の秘書ってどうなすればなれるの?」と質問されて、横から私が「コネですよね」と答えると、「そう。コネだけです!」と断定するような人で、それなりに仲良くなれました。以前、国連職員はコネ就職が一般的だと書きましたが、政治家の秘書も...

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私の知らない労働組会

労働組合ってなんだろう。私がこれまで働いた会社に労働組合なんてなかった。デモはしたことないし、賃上げ闘争なんてどうやってするのかも分からない。春闘もテレビでしか観たことない。一体、どこの会社の労働者がどうやって春闘しているのか、いまだに謎である。たまに労働組合に入っている知人に会うが、その人もよく分かっていない。厚労省によると、2016年の労働組合の組織率は17.3%だから、入っている方が圧倒的に少ない。...

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憧れの企業合同説明会

医学部3年生の時だ。学部3年生向けの企業合同説明会があるとの情報を仕入れた。6年制で事実上全員が病院に就職する医学部生にとっては一切関係のない話だ。しかし、2度目の大学で、1度目の大学では企業合同説明に全く参加しなかった私にとっては、そうでない。私の知る限り、企業合同説明会は海外に存在しない。カナダに語学留学していた時、バンクーバーで企業合同説明会があると聞いたが、留学生を雇いたい日本企業が合同で開い...

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現代日本は死と向き合わなくなったのか

救急外来におばあさんが運ばれてきました。警察も着いてきています。患者さんと一緒に警察が来ることは、それほど珍しくありません。なんらかの犯罪に巻き込まれて、その関係者が病人やケガ人だと、逃亡を警戒しているのか、警察も病院まで来るのです。個人情報を安易に伝えることは控えるべきなので、警察が犯罪事情を医療者側に伝えてくれないこともありますが、今回は違いました。そのおばあさんは、遺体とずっと一緒に暮らして...

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受験場でお祭り騒ぎする国民

知っている人もいるでしょうが、韓国では大学受験時、母親たちが寺や教会に集まって祈る、という異常な文化があります。本当なのか、どれくらいの母親がそんな奇妙な習慣を実行しているのか、と韓国人に聞くと、言いにくそうな顔で「本当だ。まあ、全ての韓国人の母がしているんじゃないか」とその韓国人は答えていました。日本でも入学試験時に、校門の前で塾の先生たちが集まって、お祭り騒ぎする妙な文化がいつの間にか浸透して...

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自殺者を嘲笑う者たち

また自殺者が運ばれてきた。自分より若い。30代で既婚。妻がついてきている。幼い子どもが一緒だ。妻は泣いてばかりで、夫の心臓マッサージを見ることもできない。子どもはお母さんが泣いているので、訳も分からずキョロキョロしている。自殺から数時間は経過しているようだ。結局、男が息を吹き返すことはなかった。その数十分前、こんなことを医者や看護師が話していたと知ることができたなら、男はどう思っただろう。「自殺した...

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一党独裁を批判された中国人の反論

中国人の理屈の見事さを示す、あるいは完膚なきまで相手を叩きのめす一例です。伝聞になりますが、日本人から中国の一党独裁を批判されたとき、中国人が以下のような反論をしたそうです。「中国は多党制だ。小なりとはいえ、共産党以外の政党も存在している。確かに、共産党以外の政党が実権を握ることはない制度になっているが、それは日本でも同じではないか。自民党の長期独裁政権だ。唯一、選挙によって政権交代が起こったと言...

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中国人の平気的な性格は「橋下徹」である

「中国人の愛国心は低い」の記事で、「中国人はまるで橋下徹のように論争する」と書いてから、ふと「論争に限らず、中国人は橋下徹のような性格と考えるといいかもしれない」と思ったので、書きます。1、プライドが高い2、絶対に謝らない3、相手の気持ちを考えずに徹底して批判する 4、常識や良識にとらわれずに発想する5、自分のペースに論争を持ち込むこれらの橋下徹に特徴的な性格は全て、平均的な中国人と共通しています...

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中国は全体主義国家なのか

私の持つ広辞苑(第五版)によると、全体主義は「個人に対する全体(国家・民族)の絶対的優位の主張のもとに諸集団を一元的に組み替え、諸個人を全体の目標に総動員する思想および体制」と書いています。確かに、中国は共産党独裁政治が行われています。共産党の権力は強大で、その前では個人の基本的人権など物の数ではありません。ただし、国家組織が中国全土を意のままに動かしているかというと、全くそうではありません。地方...

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ヤクザを忌避する若者たち

最近の若い世代を「ゆとり世代」と見下している大人は多いでしょう。私もその一人ですが、ゆとり世代がその前の「不良世代」より道徳的に遥かに優秀だと思った事件があります。私が塾でバイトしている時、その塾の先生が怖い、特に教室長や塾長が怖い、と生徒たちが言うので、私が冗談で「この塾はヤクザじゃないから。怖い人ほど出世するわけじゃないよ」と笑いながら言いました。しかし、その冗談は生徒たちに全く通じず、場の空...

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中国人の愛国心は低い

愛国心を定義することは難しいでしょう。現在のネトウヨを中心とした「愛国的な日本人」は、周知の通り「日本の政治」や「日本人」の批判ばかりしています。日本が素晴らしい国で、日本人が素晴らしい国民だと信じていないのでしょうか? もし現実の日本の政治がおかしく、現実の日本人が間違っていると非難するなら、少なくとも「現実の日本」を愛していないこと、つまり「現実の愛国者」でないことを自覚すべきです。もし現実の...

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カナダ生まれの中国人(CBC)

私が滞在したバンクーバーの人口のうち20%は中国人でした。バンクーバーだけかもしれませんが、「Chinese pass」という言葉があります。中国人の母が子どもに要求する特別に高い通過点のことです。例えば、学校の公式及第点が60点だと、中国人の生徒なら90点以上の成績をとらないと、母親は納得しません。日本人の感覚でいえば、カナダにいる中国人母はほぼ全員、スパルタ教育ママです。そんなスパルタ教育の成果なのか、バンクー...

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中国の受験戦争

中国人インテリに中国で会いました。ごく普通のインテリで、飛びぬけたインテリではありません。中国で上から30番目くらいの大学を普通の成績で卒業しています。それでも、日本だと私立最上位の大学を平均の成績で卒業したインテリよりは、学力が高かったと思います。彼女は中学校まで、学年でほぼ毎回一番の成績をとっていたそうです。それだけあって、その地方で最も優秀な高校に進み、親元離れて寮生活を始めました。中国では高...

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日本の漢字を読めない一部の中国人とは?

「中国では会話できなくても、漢字が通じるから、まだ救われるよね」私が中国に行く前に、そんなことを言われました。実際に中国に滞在した経験からすると、それは8割ほど正しく、2割ほど誤りでした。日本の漢字を理解できない中国人が2割程度いたように、私は感じています。「中国の愛には心がない」にも書いたように、日本の漢字と、中国の簡体字は少し異なり、同じ字でも両者で全く違う形になっていることも、しばしばあります...

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医学生はバカではなかったようです

「一夜漬けでテスト合格したぜ!」「え~。すご~い!」わざわざクラスメートに聞こえるように、こんなバカな自慢をする医学部1年生がいて、それを褒めるバカな女がいました。高校生までは同級生の中で文句のつけようのない学力を持っていたので、そんな自慢も許されたのかもしれません。しかし、今周りにいる連中は、同じ程度の学力を持つ、プライドだけは高い医学生たちです。すぐにこんな陰口が叩かれます。「全く勉強しないで...

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インドで3名日本人が集まると

日本人がインドで騙されずに旅行するのは極めて困難です。もし騙そうとするインド人に会わずに旅行したければ、ボディーガードが必要でしょう。実際、インドで3名日本人が集まると、騙され自慢大会が始まります。「デリーで到着直後に、笑顔が素敵なインド人に騙された!」「電車でアグラに着いた途端に寄ってきたインド人たちの中で親切そうな奴を選んだけど、やっぱり騙された!」「地球の歩き方に載っている宿なのに、騙された...

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バンクーバーは過ごしやすく美しい都市

新大陸の都市、特に新しい西海岸の都市の多くは、気候に恵まれた土地を選んで開発されたそうです。バンクーバーも自然のキレイな都市で、冬はスキーができ、夏は海で泳げます。春の一時期は、スキーで山を下りて、同じ日に海に行って、マリンスポーツを楽しむこともできる、と地球の歩き方に書いてありました。もっとも、これは都市伝説に近く、現実に1日のうちにスキーとマリンスポーツで遊ぶ、あわただしい人に会ったことはあり...

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カナダの冬に3人集まると

カナダの冬に人が3名集まると、寒さ自慢大会が始まります。「この前エドモントンに行ったらよお、ネガティブ30度(マイナス30度のこと)で、くしゃみが凍ったぜ」「イエローナイフなんてネガティブ40度で、車の取っ手から手が離れなくなって、中に入れなくなったわよ」そんなウソか本当か分からないような自慢話で盛り上がります。私はカナダに住むまで、いくら寒いカナダでもマイナス30度なんて何年かに1度、ごく寒い地方で観測さ...

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いじめから社会復帰した医師なのに

いじめを受けて、親の財布からお金を盗んだ過去を持つ医師A氏に会ったことがあります(今の若い世代は信じられないかもしれませんが、現在30代や40代の人なら、親の財布からお金を盗むように強要された過去を持つ者は1万人以上いるでしょう)。A氏は医学部でも友だちができず、過去問が回ってこなかったので、卒業までに10年かかっていました。なお、医学部では過去問が回ってこないと留年するのは必至です。私はA氏とすぐ友だちに...

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神と自分を並べる思考

クリスチャン「あなたは神を信じるの?」私「う~ん。信じていないだろうね」クリスチャン「なら、自分を信じているわけね?」私「は????」こんな会話を外国人と交わした人は多いでしょう。その真意をすぐに理解できる日本人は少ないはずです。クリスチャンは「神がいるから、この世界が存在して、だから私も存在できる」と考えているようです。より厳密にいえば、セム系宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教では、この...

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恵まれている自覚のない者たちの国

また反抗してしまった。なにやっているんだ、俺は。相手は上級医なのに。こんなことして、自分の得にならないことくらい、分かるだろう。バカだな。だけど、どうしても我慢できないことはある。医師であるのに、自分がいかに恵まれているかに気づいていないことだ。当たり前だが、高給の医師である時点で恵まれているし、医師になれるほどの学力を持てたことも恵まれている。誰だって他の人より高い学力がほしいが、いつの時代もそ...

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教養本のすすめ その4

現在、私は医師になった。当然、恵まれた地位にいることは自覚している。もっとも、恵まれた地位にいることをほとんど自覚していない、私以上に恵まれた医師は日本に無数にいる(私に言わせれば、そんな奴ばかり医師になる社会を日本人が許容しているからだ)。ブラック企業にいた頃の同僚について、たまに近況を知ることがある。「若者と労働」(濱口桂一郎著、中公新書ラクレ)に書かれている就職超氷河期時代に見事にはまってい...

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教養本のすすめ その3

とはいえ、私の読書歴は迷走していた。素晴らしい知性が詰まっていると信じた哲学書を全く理解できないまま終わったり、質より量を目指して絵本を買い漁ってみたり、海外旅行ガイドブックを集めて多くの国に訪問した気分になってみたり、英語の本を買ってみたものの三ヶ月たっても十ページしか進まずに挫折したりしていた。これで本当にいいのか、といつも疑問に感じていた。知識は増えているのか。視野は広がっているのか。私の人...

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教養本のすすめ その2

精神的な理由から、大学時代に就職活動をしてない私は恵まれた仕事に就くことなどできなかった。いわゆるブラック企業で働いて、毎日、パワーハラスメントに耐えていた。もちろん、尊敬できる上司など一度も会ったことがない。同僚たちとも価値観が合わず、テレビの話題に一人だけついていけない私は変人扱いされていた。仕事でストレスがたまっているのに休日になぜ読書ばかりしているのか、と同僚に問われて、私は前回の記事の冒...

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教養本のすすめ その1

自分一人で経験する世界は限られる。読書を通じて知識を効率的に得ていけば、より広い世界を知ることができる。それはより豊かな人生に繋がる。私が悩み多き思春期に何年も人生について考え抜いた末にようやく到達した結論である。だが、情けないことに、この理想には問題があった。私は言語能力に乏しかったのである。本を読むスピードは極めて遅く、大学は理系で、趣味はテレビゲームであった。それまでに読んだ本の数は、それま...

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日本の教科書は西洋の教科書よりコンパクトで便利である

大学に入ると、世界標準の教科書を使う学部があります。医学部などの生物系はまさにそうで、「Essential細胞生物学」を購入させられた日本の大学生は毎年何名もいます。大抵は英語原著ではなく日本語版で学習しますが、それらの教科書を見て、まず違和感があるのは本の大きさでしょう。高校までの教科書は小さくて持ち運びやすかったのに、大学の教科書はなぜか大きくて重いです。実は西洋だと高校生以下でも、あの大きさの教科書...

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日本の医者社会では年功序列が徹底している

儒教の影響のせいか、日本では長幼の序が浸透しています。その日本の中でもさらに年功序列が徹底している社会が医者の世界です。医学部再受験生(他の大学で学んだ後、医学部に入学する人)たちは「医学部ほど学年差の序列が激しい学部はないね」とよく噂していました。もっとも、そういう医学部再受験生たちも医者になる頃には、医者の年功序列社会にすっかり染まってしまいます(私も染まっていると思っていますが、まだまだ染ま...

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東大医学部合格者に天才はいない

「公文は日本最大の飛び級制度なのか」の記事にも書いた通り、東京大学医学部合格者と聞けば、多くの日本人は「天才」と思ってしまうかもしれません。しかし、東京大学医学部卒業生は明治以来1万人以上いますが、ノーベル賞受賞者は一人もいません。もっと広げて、日本最高の受験エリートである旧帝大医学部合格者は7万人以上いますが、既に20名もいる日本人科学系ノーベル賞受賞者の中には一切入っていません。日本人の医者でノー...

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公文が最も浸透している外国

前回の記事の続きです。アメリカにも公文はあるようですし、私はニュージーランドのオークランドの街中で公文教室を見つけたことがあります。ネットで調べても西洋の多くの国に公文はあるようですが、私の出会った西洋人に公文を知っていた人はいませんでした。公文以前に、西洋人は塾を知りません。和英辞書で「塾」を引くと「cram school」と出てくると思うのですが、そのcram schoolが通じません。西洋人「cram school? なにそ...

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公文は創造力を減退させるのか

「理系の子 高校生科学オリンピックの青春」(ジュディ・ダットン著、文芸春秋)には、アメリカにもある公文について記述されています。近所のおばさんたちの間で「公文は素晴らしい」と評判なので、実際に見学してみると、子どもたちがひたすら問題を解いているだけでした。「こんな教育で考える力がつくはずがない」と思ったお母さんは、子どもを公文に通わせずに自主学習させることにしました。お母さんの教育観は正しく、その...

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公文は日本最大の飛び級制度なのか

「東大理Ⅲ」という本があります。東大理Ⅲ≒東京大学医学部に合格した人たちだけの合格体験記です。同じ出版社の「東大文Ⅰ」という東大法学部合格体験記もありますが、こちらのサブタイトルが「国家を託される若者たち」であるのに対して、「東大理Ⅲ」のサブタイトルは「天才たちのメッセージ」です。東大理Ⅲに合格した安川佳美という人は、その著書を読めば、極めつけのバカであることは火を見るよりも明らかなので、東大理Ⅲに合格...

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教育は芸術から科学になるべきである

教育についての推定50冊程度の教養本と、私の実体験からの主張です。教育学は医学と比較したら、まだまだ科学になっていないような印象が強いです。もう少し詳しく述べると、統計学的研究がほとんど行われていないと感じます。多くの教育学者は、自分の経験や自分に都合のいい科学的事実を元に自分の観念論を主張しています。その程度の主張なら素人の私でもできます。教育学を職業としている人なら、後世まで参考にできる科学的な...

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自分の都市の人口は覚えておくべきである

日本でも初対面の相手には出身地をよく聞きますが、海外でも当然聞きます。「日本です」「日本のどこ?」「仙台です」といった感じです。海外の人でも東京の知名度は100%です。私の経験談だと、1番手から遠く離れて2番手に出てくる都市が京都、大阪でしょうか。名古屋になると、まず知っている人はいません(韓国人と中国人は名古屋でも知っていたりします)。相手が知らない都市の名前をあげると、次に出てくる質問が「その都市の...

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医師志望動機の日本の特異性

私が人生で出会ったあらゆる医師、医学生の建前ではなく、本音の志望動機は「大金を稼げる仕事だから」と「エリートコースだから」のどちらかでした。もちろん、私もそうです。海外では圧倒的に「お金」が医師志望動機でした。私の知る海外の優秀な医学生はほぼ全員、より高い給与を求めて、母国の外で働くことを希望していました。もっとも、私の知る限り、医学生だけでなく、優秀な学生が海外に出るのは、日本以外、世界中で共通...

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「読み書き算」が格上教養で、世の中の知識は格下教養なのか

カナダの教科書を見ると、数学の教育内容が簡単すぎる一方で、理科や社会の教育内容が充実していることに驚きます。私はアメリカの小学校1年生の教科書を購入したことがあるのですが、「アメリカの歴史」について紀元前から現代まで書かれていることに衝撃を受けました。日本では小学校から高校まで、「読み書き算」である英語、国語、数学が主要科目とされ、理科と社会は暗記科目として格下扱いされています。おそらく、どの国で...

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バイトを否定する親を理解できないカナダ人

カナダのカンバセーションクラブで、高校生の子どもがいる日本人と一緒のクラスになりました。その母親はこんなことを言いました。日本人母「うちの息子は高校生になったら、バイトしたいと言い出した。バイトなんかしないで勉強しろ、と言っても聞いてくれなかった」カナダ人「なんでバイトを禁止するんだ? いい社会経験になるから、やらせるべきだ」日本人母「別に高校生のうちにしなくてもいいでしょ? 頭の吸収力がいい若い...

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「私立だと少人数教育」は世界の常識

私「日本だと小学生の段階から受験勉強を始める。いい大学に入る高校はだいたい私立だ」カナダ人「カナダではそんなこと全くない。公立と私立でそんなにクラス人数が違うの?」私「いや、クラス人数はあまり変わらない。むしろ、私立の方がクラスの生徒数は多い」カナダ人「え???? 私立なのに大人数教育? 意味が分からない」私「よくそう言われる。でも、日本だとそうなんだ」カナダ人「それじゃ、なにがすごいの? 先生?...

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中国の愛には心がない

現在の中国は簡体字を使っています。中国人は日本の漢字を「古い文字」と呼んでいました。古い文字とは、いい意味ではないでしょう。残念ながら、私の知る中国人に日本の漢字を称賛してくれた人はいませんでした。一方で、中国の簡体字を称賛している日本人にも、私は会ったことがありません。「雑な漢字」、「美しくない漢字」といった評価が多かったように思います。その中でも私が失礼極まりないと思った言葉は、タイトルの「中...

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国立医学部と私立医学部の学生の違い

日本の医学部を二つに分けると、国公立医学部と私立医学部に分かれます。国立は教授が自分の趣味のように現場の医療の役に立たない授業を行い、私立は医師国家試験合格を最優先した授業を行います。国立では基礎科目や研究を重視しますが、私立は臨床科目を早いうちから学習します。国立は医師の子どもが3割くらいだと思いますが、学費の高い私立は医師の子どもが9割くらいでしょう。国立は他の学部に合わせて長期休暇が長いのです...

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