ケベックはカナダ最大の政治問題である

カナダは二言語多文化主義です。多文化は分かるのですが、二言語とはなんでしょうか? 
カナダではミネラルウォーターなど多くの商品に英語とフランスが併記されています。そうするように法律で決められているからです。なぜこんな面倒なことをしなければならないのでしょうか? 答えはもちろん、ケベックにあります。
カナダの全州で唯一、フランス語が主流のケベック州はカナダからの独立騒ぎを何度も起こしています。カナダはイギリス連邦に属していることもあり、長らく不文憲法の国でしたが、1982年、ついに憲法を制定します。そこに英語とフランス語の地位平等が規定されているのです。つまり、1982年憲法はケベックに相当に譲歩しているのですが、あろうことか、そのケベック州だけが1982年憲法を認めていません。メチャクチャです。
ちなみに、ケベック出身のフランス系カナダ人で、1982年憲法を制定し、ケベックの独立を食い止めることに執心したピエール・トルドー元首相は、現カナダ首相のジャスティン・トルドーの父親です。カナダ人は自国の民主主義の高潔さをよく誇るのですが、日本同様、世襲の色は消せないようです。
ケベック問題について語ると際限がなくなります。カナダの長所も欠点もよく現れている問題なので、興味のある方は、教養本でいいので、ぜひ勉強してほしいです。
スポンサーサイト

カナダはアメリカの首都を攻め落とした唯一の国である

カナダに行く前にカナダを知っておきましょう」の記事に書いた通り、カナダはアメリカの首都を攻め落とした唯一の国です。日本では、世界史を得意科目にしていた東大生だって、そんな歴史的事実は知らないはずです。なぜなら、日本の歴史教科書には全て「米英戦争(第二次独立戦争とも)」と書かれており、アメリカとイギリスが戦争したように記述されているからです。カナダでは、この戦争を1812年戦争(War of 1812)と呼んでおり、ほぼ全てのカナダ人は「カナダがアメリカに勝った戦争」として学んでいるようです。どうしてこのような差が現れるのでしょうか?
ここからは私の推測ですが、日本の西洋史は、アメリカ史観が強いためではないでしょうか。まず、この戦争を世界標準の「1812年戦争」ではなく、「米英戦争(英→米の順ではなく)」や「第二次独立戦争」と呼んでいます。私の記憶が正しければ、「この戦争の結果として、アメリカはヨーロッパとの交易に頼らなくなり、自国産業の発展に寄与した」と、まるでアメリカが戦略的に買ったかのように、教科書に書かれていました。まだ国として成り立っていないカナダに負けたのではなく、当時世界最強のイギリスに負けたのなら、アメリカとしても自尊心が保てるため、米英戦争と呼んでいるようにも思います。
余談ですが、19世紀を通じて、アメリカとイギリスは犬猿の仲です。20世紀になって共通の敵ドイツができるようになって、ようやくアメリカはイギリスと仲良くなっていきます。第二次大戦後の世界からは想像するのも難しいかもしれませんが、建国から100年間以上も、アメリカはイギリスが大嫌いで、むしろフランスと仲が良かったのです。私程度に世界史を教養として学んでいる方なら常識でしょうが、大学受験で世界史を選択した人でも意外にこの歴史的事実を知らない日本人が多いので、一応、書いておきます。
話を戻します。上にも少し触れたように、1812年戦争がカナダとアメリカの戦争と考えられていない最大の理由は、当時、カナダという地域はあっても、カナダという国が正式になかったからでしょう。カナダは1867年に成立した国です。だから、1812年戦争をアメリカとイギリスの戦争と考えるのは、当たり前のように思えるかもしれません。しかし、日本に統一した政権がなかった縄文時代を日本の歴史に入らない、と考える日本人などいないように、カナダ人にとっては、1812年戦争は「カナダがアメリカに勝った名誉ある戦争」なのです。私がカナダ出発前に読むべき本として推奨した「カナダを知るための60章」(綾部恒雄著、飯野正子著、明石書店)にも、当然のように1章を使って説明されています。

フィリピンでのイスラム差別

前回の記事の続きです。
新聞の国際欄に目を通す方なら知っているでしょうが、フィリピン人の大部分はキリスト教徒のカトリックですが、ミンダナオ島に少数派のイスラム教徒がいます。
私はセブ島の語学学校に留学していて、そこの先生方は全員カトリックのようでした。そのうちの一人がミンダナオ島のイスラム教徒モロ族について、次のように説明していました。
「ミンダナオに行くなら、モロに気をつけろ。彼らは危険だ。モロは人を見つけると、突然斧で切りつけてくる。外国人なら誘拐されて、莫大な身代金を要求される。そのお金を払っても、殺される場合もある」
驚いたのは、その理由を私が聞いた時の返答です。
「理由なんてない。モロは理由もなく人を殺すんだ」
この返答には絶句してしまいました。カトリックが大多数の国で、イスラムとして生きるのが容易なわけがありません。事実、フィリピンではイスラムが迫害されてきた歴史があります。私より英語を流暢に話す大卒なのに、そんなことすら知らないのでしょうか。相手を自分と同じ人間だと認識していれば、少なくとも上のような言葉は出てこないはずです。
その先生はフィリピン人らしく明るい性格で、私は仲良くしていましたが、彼と深い話はできないと、どうしても思ってしまいました。

英語に堪能なフィリピン人たちはなぜ貧しいのか

こちらの資料によると、GDPに対する貿易額の比率で、フィリピンは世界206ヶ国中169位の36%です。貿易依存度が低い国なので、国際言語である英語が話せたとしても、国家の富には繋がりにくいのでしょう。(余談ですが、日本は189位で28%です)
「英語に堪能なフィリピン人たちはなぜ貧しいのか」の答えは、上のようなデータを用いた説明が妥当でしょう。私が大学でそんなテーマの課題を与えられたら、さらに細かいデータを集めたレポートを作成するに違いありません。
ただ、私は「国家の富は国民の道徳と教養によって決まる」との理論を持っており、フィリピンにおいても、その理論で説明できるように考えています(この理論が人種差別に繋がりやすいことは十分承知していますが)。
私がそう考えた理由として、フィリピン人と私の対話を実体験例から二つあげます。
一つ目は、フィリピン人英語教師が「あなたは運命を信じるか?」「気分転換は得意な方か?」「食事は欠かさずに摂るか?」と並んで、次のような質問をしてきた時です。
「交通違反で捕まった時、警察に賄賂を渡すか?」
私は呆れながら「Of course, no.」と即答しました。すると先生は「え? でも、賄賂を渡せば、許してくれるかもしれないよ。金額によるんじゃない?」と真顔で聞いてきます。
私「なにを言っているんですか? フィリピンではそれが当たり前なんですか?」
先生「いや、当たり前じゃない。賄賂を渡すのがもったいないから、捕まる人も多い」
私「そういう意味ではありません。交通違反者が賄賂で逃れようとしたり、賄賂を要求する警察がいたりするんですか?」
先生「だから、交通違反しても賄賂を渡さない場合もあるし、賄賂を要求しない警察もいるよ」
私は意味が通じていないことに失望しながらも、こう言いました。
私「日本には賄賂を要求する警察なんていません。フィリピンにはいるんですね?」
先生「え! 日本には一人もいないの? ホント?」
この会話の時、フィリピン人の遵法意識と警察モラルの低さが表れているように思いました。
二つ目の対話は、フィリピン人教師がムスリムについて語った内容で、次の記事に書きます。

フィリピン人の英語能力とフィリピンの経済力

フィリピンは一人あたりのGDPで中国の半分程度になっています。実際、中国ではまず見ない浮浪児なども、フィリピンではよく見かけました。
このブログを読むような方なら常識でしょうが、多くのフィリピンン人は英語が流暢です。日本人の英文科卒の平均英語レベルは、フィリピン人の工学部卒の平均英語レベルに遠く及びません。それにもかかわらず、フィリピン人は日本人どころか中国人よりもずっと貧しいのです。
フィリピンの例は、国民全体の英会話力を上げたとしても、必ずしも経済力上昇が伴うわけでないことを示しています。また「バカが英語話せるようになっても英語が話せるバカになるだけだ」の記事に書いたように、日本だと英語が話せるだけで大学教員にまで抜擢される人がいるのに、フィリピンでは英語が話せても家政婦になる人がいることもぜひ覚えておいてほしいです。

イギリス家庭ホームステイで感じたイスラム差別

イギリス家庭でのホームステイ」に書いたように、イギリス人家庭ホームステイのお父さんは私の到着前に交わしたメール連絡でも礼儀正しい文章を書き、会話時には適度な微笑みを見せてくれる方でした。一方で、そのお父さんは、同じくホームステイしているサウジアラビア人の学生たちをあまり快く思っていませんでした。サウジアラビア人学生たちはマナーが悪く、学校にも真面目に通っていないことなどが原因です。
たとえば、お父さんが食事の後片付けの整理ができていない状況を発見すると、まず日本人の私を呼んで、「これはキミがしたのだろうか?」と、そうは思わないが一応聞いておく、という感じで質問します。私が「違います」と言うと、「そうか。いや、質問して悪かった。キミだと疑っていたわけじゃない。だとしたら、彼らを叱っておかなくてはいけない。私は彼らにマナーを教える先生でもあるのだから」と言います。
しかし、「ムスリムのルームメイト」の記事に書いたように、ムスリムにはムスリムなりのマナーがあります。イギリス人家庭ではイギリス式に合わせるべき、という考え方もあるでしょうが、外国人のホームステイを受け入れる家庭なら、文化の違いを考慮して親切に接してあげるべき、という考え方もあるはずです。日本人の私に対する態度と、サウジアラビア人学生に対する態度の違いを見ていると、お父さんは人種差別をしていると言われても仕方ない面があるように、私は感じました。もちろん、完全に偏見を失くして交流することなど人間には不可能なので、そのことだけでお父さんを悪人だとは思いません。また、今でも、お父さんから受けた優しさに私は感謝しています。
振り返ってみれば、「イギリス家庭でのホームステイ」に書いたように、お父さんが私をいつも褒めてくれていたのは、サウジアラビア人学生と比較しての相対評価だったように思います。実際、日本人ルームメイトが複数いるホームステイ家庭で暮らしている時、育ちのよくない私は「マナーの悪い日本人」として認識されていたようです。
また、「ムスリムのルームメイト」の記事に書いたように、ムスリム学生が私にイスラムのcleanさを説明したのは、「イギリス人には理解されないようだが、日本人のキミは理解しておいてほしい」という気持ちからだったのかもしれません。

ムスリムのルームメイト

バンクーバーで一つ目のホームステイ先にいた数名のサウジアラビア人ルームメイトとも、いい思い出があります。ある時、そのうちの一人から、イスラムがいかに清らかな宗教であるかを教えてくれました。cleanという単語を何回も使って、イスラムの教え通りに生きていたら、起床から就寝まで自然とcleanな生活態度を保てるそうです。途中、歯磨きの説明の時、ムスリムが使っている歯磨き用の枝をプレゼントしてもらいました。一見、ただの枝のようでしたが、よく見ると、なにかのコーティングがされていて、形状も歯磨きに適しており、市販されている物だと分かりました。その後、何回も引っ越ししたせいで、失くしてしまったのが残念です。
料理がまずかったことや、次の記事に述べるような理由もあり、サウジアラビア人たちはホームステイの料理をあまり食べていませんでした。外食が多かったようですが、自分たちで食事を作ることもあり、私は一度だけその食事に誘われたことがあります。彼らの作ったチーズスパゲティのおいしかったことは、よく覚えています。私がおいしいと何度も言うと、その度に彼らは照れ笑いしていました。
今から考えると、その後、私がバンクーバーで会った何名ものサウジアラビア人の中で、彼らは最も謙虚で最も礼儀正しい方たちでした。次の記事に書くように、私は必ずしも賛成ではないのですが、ホームステイファザーの指導による側面はあったのでしょう。

イギリス家庭でのホームステイ

私のバンクーバーの最初のホームステイ先は、イギリス人家庭でした。数年前の春、ちょうど50日間、私は滞在したようです(私は10年以上日記を欠かさずつけ続けているので、滞在期間が正確に分かります)。
40代の夫婦だけの家庭で、お母さんは背中の病気のため、家で寝てばかりいました。お父さんの仕事は訪問看護で、平日の昼間にも会ったので、パートだったかもしれません。それでも普通に生活できるほど稼いでいるのは、私のような留学生を5人ほど地下でホームステイさせていたからでしょう。
この時のルームメイトは全員サウジアラビア人でした。来た当時はもちろん知らなかったのですが、サウジアラビアの学生とルームメイトになることはあまりありません。彼らは留学するだけで30万円近くも「月給」が出るので、ホームステイしなくても普通に賃貸で暮らせるからです。とはいえ、中にはホームステイするサウジアラビア人もいて、そんな生徒が集中している家庭に私は回されたようです。
今から考えると、サウジアラビア人たちのルームメイトばかりだったのは、私が面白半分に「ベジタリアン家庭」を希望したからでしょう。ムスリムも食事には気をつけますから。そのベジタリアン料理は、お父さんがいつも作ってくれたのですが、率直に言って、まずかったです。まさに「イギリス料理」といった感じでした。
料理については不満でしたが、それ以外は、お父さんはいつも親切にしてくれました。社交辞令もあったでしょうが、ことあるごとに、私の生活態度、向学心を称賛してくれました。香港出身だったので、東洋人に対する理解があったせいかもしれません。お父さんの使っている英語も、学校のカナダ人教師より礼儀正しく、まさにイギリス紳士でした。
2ヶ月程度で私はこのホームステイから引っ越すのですが、その一番の理由は立地条件です。学校や駅から遠かったわけです。人に対する不満は全くありませんでした。
ただし、まずい料理も引っ越しの理由には入っています。ホームステイ家族から嫌われ、食事が粗末になったように思ったため引っ越した日本人が熱弁していたのですが、食事は人間の精神面に強い影響を与えているようです。

フィリピンの英雄パッキャオ

私がバンクーバーでフィリピン人家庭にホームステイした初日です。夕方くらいからフィリピン人が大勢集まってきて、お祭り騒ぎを始めました。夕食の時、既に阿鼻叫喚。日本人パーティーでは盛り上がりMAXの水準です。「夕食パーティーの時間が終わったら静かになるだろう」と思っていましたが、見事にその予想は裏切られ、日本人MAX状態から、天井知らずに盛り上がり続けていくのです。
なにかの用事でホームステイマザーと話す機会があった私は「一体何事ですか? この騒ぎはいつ終わるんですか?」と聞いてみました。マザーは「ごめんなさい。パッキャオの試合だから」と言います。(パッキャオって誰だ?)と思って、みんなが熱中しているテレビを観ると、ボクシングの試合が行われています。「フィリピンの英雄だ」とマザーは説明してくれました。
その夜、ただでさえ神経質な私は、子どもたちが完全に寝静まるまで、寝ることはできませんでした。翌日、ホームステイサイトで新しいホームステイ先を探したのは言うまでもありません。
マザーが「今日は特別だから」と言った通り、ホームステイ先でその日以上に騒音に悩まされたことはありませんでした。たまにカラオケでホームステイファザーが大声で歌っているのが聞こえたりはしましたが、その程度は、どの家庭でもあることでしょう。
今では、初日のパッキャオ祭りは、ホームステイでのいい思い出になっています。この経験がなければ、ボクシングに興味のない私がパッキャオなんて一生知る機会もなかったでしょう。パッキャオは史上最強とも言われるほどのボクサーで、帰国してから日本のスポーツ欄でも何度か見かけたことがあります。
なお、私がこれをいい思い出と言えるのは、日本で遥かに辛い経験をしていて、この程度の苦労はなんでもなかったから……と言いたいところですが、実際は、当時のカナダの留学生活が十分に幸せだったからでしょう。不幸を経験した人ほど不幸に強くなる、というのはよくある幻想で、実際は不幸な人ほど精神的に余裕がなくなり、それ以上の不幸に耐えられない場合もよくあります。

ホームステイしていてもフィリピン人家族が何名か分からない

海外でフィリピン人の家庭にホームステイする確率は、その都市にいるフィリピン人の割合に比べて高いように思います。バンクーバーでは中国人やインド人の方が遥かに多いのに、そちらの家庭にホームステイしている人は極めて稀で、フィリピン人家庭にホームステイしている人は多くいました。私もフィリピン人家庭に長期間ホームステイしていた1人です。
面白いのは、一緒の家に住んでいるのに、ホームステイ先のフィリピン人家族が何名か分からないのです。その理由は簡単で、フィリピン人家庭では、同居でない親族や友だちが毎日のように顔を出すからです。私がホームステイしていた家庭は父と母と息子2人の一般的な4人の核家族だったのですが、3か月間ホームステイしている韓国人にニヤニヤしながら「ここの家族って何名か知っている?」と聞くと、案の定「分からない」と返答されました。これは決して珍しい例ではなく、1年間フィリピン人家庭にホームステイしていても「分からない」と言う日本人に会ったことがあります。
「最初にホームステイ先決める時に、聞いていないの?」と疑問に思う人も多いでしょう。実際は、必ずしも家族の人数まで聞かない場合もあります。聞いていたとしても、慣れない英語でのコミュニケーションなので記憶に残りにくかったりするのです。また、実際にホームステイしてみると、家族のような人が何名も出入りしているので、「家族4名はウソだったのでは?」と思ったりして、そのうち記憶が曖昧になってしまう要素もあります。
ちょっと信じられない話でしょうが、もしフィリピン人家庭にホームステイした日本人が近くにいたら滞在先の家族が何人か聞いてみてください。多分、ホームステイ1ヶ月くらいでは知らない人も多いはずです。

カナダで愛国者になる私

「このクラスの日本人で映画『Cove』を観た者はいるか? いない? なら、ぜひ観るべきだ。絶滅危惧のイルカを日本人が虐殺しているドキュメンタリーだ」
カナダの語学学校で、先生がそんなことを言っていました。先生が映画の内容をさらに詳細に語り出すと、日本人生徒たちは反論するどころか、うなずいている始末です。さすがに頭にきて、私が発言しました。
私「イルカが絶滅危惧種ではありません。一体、どこの調査ですか?」
実はよく知らない先生は言い淀みます。
先生「映画でそう言っていたと思うが……。キミこそ、なにを根拠にそう言うんだ?」
私「日本は絶滅危機にあるクジラは一切捕獲していません。国際捕鯨委員会(IWC)がクジラ個体数の学術的な調査をして、数十万頭も生存していると言っている。日本はそのうちの何頭をとっているのか知っていますか?」
先生「クジラではなく、イルカの話をしている」
私「イルカとクジラは生物学的には同じで、大きさが違うだけです」
先生「確かに、それは映画でも言っていた」
私「国際捕鯨委員会がクジラの個体数を数十万頭と推測していて、日本はそのうち千頭程度しか毎年捕獲していません。それを知っていますか?」
先生「知らない」
私「バッファローの肉の入ったハンバーガーをこの近くの店で売っています。イルカはかわいそうで、バッファローはかわいそうじゃないんですか?」
そこまで言うと、先生は笑い出して「どちらもかわいそうだな」と同意して、「日本だけを批判してしまったのは公平でなかった。お詫びする」と言ってくれました。
これは一例ですが、日本にいる時、私は愛国者だと思ったことはありませんが、カナダにいる時、私は日本代表者のように日本を擁護することが何度もありました。それは別にいいとしても、私にとって情けなかったのは、私より日本で遥かに恵まれた生活をしてきたはずの日本人たちが、カナダ人の日本批判に言い返さなかったことです。言い返すどころか、上の例にあるように、カナダ人の日本批判に傾聴しているのです。
「おまえらは俺よりも遥かに日本から恩恵を受けているはずだろう! どうして俺が日本を擁護しているんだよ! カナダ人から日本を批判されて、悔しくないのか! なんで、ありがたい説教みたいに従順に聴いているんだ! 俺が同じことを言っても納得しないくせに!」
そう思わずにはいられませんでした。

バカが英語話せるようになっても英語が話せるバカになるだけだ

残念ながら、英語が話せるだけのバカが重宝されてしまう国は世界中に多くあるようです。御多分に漏れず、日本もそうです。私の母校はここ数年、国際化を急速に進めたのですが、典型的な英語が話せるだけのバカが教員などに何名も抜擢されていたりします。
また、母校では教養のない西洋人ばかり会いました。前回までの記事に書いたようなカナダでの経験があったので、私は西洋人に強い期待を抱いていたのですが、その期待はほぼ完全に裏切られました。日本で一番とは決して言えない大学のせいか、西洋人留学生たちは教養も道徳観も劣っており、日本人のように浅薄な話をしていました。
ちなみに、医学界では他の学問の世界より、英語能力が評価されています。多くの医師たちは医学以外の学問世界を知らないので自覚していないようですが、日本で医学界以上に英語が重視される学問領域は、それこそ英文科などに限られるのではないでしょうか。そのせいか、医学生には英語が話せるだけのバカがとりわけ多いように私は感じています。
高い地位に着いているのに人間としての基礎能力のない者は、高い地位に着いておらず人間としての基礎能力のない者より、社会に悪影響を及ぼす分、タチが悪いことはよくあります。だからといって、人間としての基礎能力もない幼い時期から英語学習を始めるのはよくない、とは全く思いませんが、「バカが英語話せるようになっても英語が話せるバカになるだけだ」という事実は認識しておくべきだと思います。

英語の発音なんて気にしなくていい

また自慢話になって申し訳ありませんが、カナダにいた頃、最初の語学学校を卒業した後、語学学校やカンバセーションクラブで、私はいつも最上位クラスに入れられていました。しかし、明らかに、私は最上位クラスに入れるほど、英語が得意ではありませんでした。それにもかかわらず、カナダ人が私を最上位クラスに入れたのは、私の努力や知性を評価してくれていたからです。
カナダ人と深く付き合えば分かってくると思いますが、一般に、カナダ人は教養や道徳をこの上なく重視します。私の感覚でいえば、日本人の比ではありません。だから、語学の学校だろうが、語学力以外に教養や道徳が評価基準に秘密裏に入っているのです。
だから、教養のある人は、ぜひカナダに行くべきだし、行ってほしいです。英語なんて下手でも構いません。発音なんて一生日本人英語で構いません。発音がキレイなら、カッコよく思えるでしょうが、教養のある人はそんなくだらないことに執着しません。
たとえば、日本語の発音が完璧で、話す内容が小学生レベルの外国人と、日本語の発音がおかしくて、話す内容が大学教授レベルの外国人だったら、どちらがインテリだと思いますか? 普通なら後者でしょう。日本人だって、外国人の日本語の発音なんかで知性を判断しないはずです。カナダ人でも同じです。
教養のあるカナダ人が求めているのは、キレイな英語の発音ではありません。自分が気づかない視点や、自分が知らない世界を与えてくれる外国人をカナダ人は求めています。だから、日本だけでなく世界で通用する教養を身に着けている方はカナダなどの西洋に行くことを強くお勧めします。

カナダに行く前にカナダを知っておきましょう

カナダは広大な面積を占めて、G7にも入る国なので小国とは言いづらいのですが、人口は韓国よりも少なく、独自の文化があまりないため、目立たない国ではあるでしょう。カナダ人も外国から関心を持たれていない事実を認識しています。
だからこそ、カナダについて詳しい外国人に会うと、カナダ人たちは驚き、また喜びます。日本人に限らないのですが、カナダに長期滞在した人たちですら「カナダの首相の名前」「ケベック州ではカナダ憲法が通用しない」「カナダはアメリカのワシントンを占領した唯一の国である」などを知らないまま、母国に戻っていたりします。それはもったいないでしょう。
普通に暮らしていれば、カナダとアメリカの違いは分かりにくいと思いますが、実は政治的な差異は大きいです。カナダは歴史がアメリカよりも短いので独自の文化はほとんどありませんが、民主主義文化はカナダとアメリカで大きな差があります(と私は思います)。
そういったことを知るためにも、ぜひカナダついての教養本を読んでほしいです。一冊で構いませんし、日本語でも全く構いません。私はカナダに行く前に、「カナダを知るための60章」(綾部恒雄著、飯野正子著、明石書店)を読みました。これ一冊の内容を把握するだけでも、カナダの基礎知識は留学生たちの中で偏差値65くらいになるでしょう。
なんでもそうでしょうが、基礎知識があって生きるのと、行き当たりばったりで生きるのとでは大きく違ってきます。留学は決して安い買い物ではないはずなので、少しでも有意義にするために、またカナダ人から日本人に一目置いてもらうためにも、出発前に教養本の読書をお勧めします。

カナダ人はアメリカが嫌い

カナダ人はアメリカの批判が好きです。今、カナダ人と政治の話をすると、高い確率でトランプ大統領の批判が出ると確信します。カナダ人はまるで自分の国の大統領かのように批判していることでしょう。日本人と比べるとカナダ人は(というか西洋人は)批評が大好きですが、アメリカについてはいつも批評しています。率直に言って、カナダ人はカナダの首相よりも、アメリカの大統領を遥かに多く話題に出します。カナダ人がカナダよりアメリカに関心があるわけではありませんが、すぐ隣の大国なので、否が応でも意識してしまうようです。
私がその傾向を強く感じたのは、カナダのテレビを観た時です。なんと、ほぼ全てのテレビチャンネルがアメリカ製でした。カナダ人がアメリカに詳しくなるのも当然でしょう。現在、西洋では新聞からネットへとニュース収集手段が大規模に移行しているので、なおさら、カナダはアメリカのニュースばかり入っているはずです。
政治、経済、文化など、カナダがアメリカからの影響を受けていない面はないと言っても過言ではありません。そして、経済規模、軍事力、世界への影響力など、多くの面でカナダはアメリカに負けるので、カナダのアメリカへの対抗意識はどうしても強くなってしまうのでしょう。
ただし、カナダとアメリカの関係が、アイルランドとイギリスの関係のように考えるのは間違っていますし、まして韓国と日本のように険悪ではありません。私がこのブログで何度も指摘したように、一般的なカナダ人は教養の高い人たちなので、「隣の大国だからアメリカを批判的に見るのは無理もないが、カナダがアメリカの強い影響を受けているのは事実だろう」と言えば、いつも同意してくれました。
なお、アメリカを嫌いな国民は世界にいくらでもいるでしょう。民主主義国家なら、一番は常に批判されるべきですから。

中国の実態は誰も知らない

「中国メディア戦争」(ふるまいよしこ著、NHK出版新書)では、中国のインターネット事情を伝えると同時に、インターネットから分かる中国の全体像も伝えています。周知の通り、中国は新聞やテレビなどのマスメディアだけでなく、インターネットまで政府によって検閲されます。日本だと、大手の新聞を読んでいれば、(重要だから報道しているよりも、報道するから重要になる面の強い国なので)日本の実態をかなり正確に理解できます。中国だと、政府御用達の新聞やテレビに限らず、あらゆるマスメディアを通じても、中国の実態はなかなか掴めません。個人が情報発信できるインターネットを利用したところで、全体を把握する個人は少なく、正体不明の情報が入り乱れるので、中国の実態は分かりません。それでも、上記の本を読むと、中国の実態を知るには、新聞よりもネットの情報が有効のように思えてきます。政府がどのような情報を遮断するかを知ることで、実態を予想できるからです。それは中国ほどではないにしろ、どの国であれ、できることでしょう。
ところで、「世界で2番目に広い国は中国である」の記事や「中国史上最高の美女は西施」の記事を読んで、「そんなことは中国でありえない」「中国でそれは極めて特殊な経験だ」と感じた日本人は多いだろうと予想します。「中国はどんな国か?」の答えは、中国人だけでなく、日本人でも変わってきます。その返答の全てが正解の側面があり、間違いの側面があると私は考えています。中国の実態は、中国の政治家も中国のマスコミも分かっていません。外部の人(外国人)から見たら分かりやすいところもありますが、外部の人だからこそ分からないこともあります。
だからといって、中国について書いた本が役に立たないわけでもありません。たとえば、「すぐに役立つ中国人とうまくつきあう実践テクニック」(吉村章著、総合法令出版)は中国の(おそらく)大部分で通用する常識でしょう。「中国人はどんな食事でも温める」なんて、これを読むまで気づきませんでした。確かに、どんな安い食事でも、中国では必ず温めていました。その他にも、有益な中国に関する本はいくらでもあるはずです。ただ、どれほど長期間中国に住んでも、中国に関する本を何冊読んでも、中国の実態は分からないことは自覚しておいた方がいいと思います。
どんな人がどんなに時間をかけて体験や研究しても、その国の実態を完全に知るなんて不可能ですが、とりわけ中国ではそうです。
ついでにいえば、インドはもっとそうです。それについては、またの記事に書くつもりです。

中国史上最高の美女は西施

「どうして日本では楊貴妃が有名なの? 唐の時代は太っている女性が美しいとされていたから、楊貴妃は太っているよ?」
複数の日本語の話せる中国人女性から、そう質問されました。「楊貴妃が太っている」は中国では有名なのかもしれません。では、「中国史上最高の美女は誰か?」と聞くと、まず中国四大美女の話をされます。西施、王昭君、貂蝉、楊貴妃の4人です。
三大〇〇は日本だけの都市伝説である」にも書いたように、中国四大美女は科学的根拠などあるわけがありません。話は脱線しますが、昔、日本の歴史教科書にも載っていた古代の四大文明(エジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明)は中国発祥の都市伝説らしいので、中国では四大〇〇が主流なのかもしれません。それはともかく、日本語版wikipediaによると、四大美女は上記の4人以外の説もあるようです。私が接した10人以上の中国人は上の4人で統一していましたし、新聞でも上の四人が中国四大美女として紹介されていた記事を私は読んでいます。前回の記事の続きになりますが、こんな環境に長くいると、中国四大美女で上記4人以外の説を言う人に会うと、「それは間違っている」と強烈に自己主張するようになるのかもしれません。
話を戻します。「それでは、四大美女の中で誰が一番美人なのか?」と聞くと、「そんなの決まっていない」と言う人がほとんどでしたが、名前をあげた人は全員「西施だろう」と答えていました。
ただし、西施入水伝説のある西湖の近くの上海に私が住んでいたので、西施が多かったのかもしれません。だから、楊貴妃の墓のある西安に行った時、「中国史上最大の美女は?」と聞こうと思っていたのですが、聞かずじまいになっていました。
もし中国の研究家がいたら、「中国人全体の人気投票で史上最高の美女は誰になるのか」を余興にでも調べてほしいです。また、「なぜ日本で楊貴妃だけが別格で有名なのか?」も調べてほしいです。この質問は、中国在住のほとんどの日本人が中国人から受けているはずですから。

世界で2番目に広い国は中国である

中国は同質性の社会でない」の記事で中国の多様性について触れましたが、これは西洋の多様性とは大きく異なります。私にとって非常に興味深かったのは、人が違えば、共通認識となるべき事実さえ違っていたことです。
たとえば、タイトルの「中国は世界で2番目に面積の大きい国である」と言っていた中国人に会ったことがあります。日本だと、wikipediaにもあるように1位がロシア、2位がカナダで、3位と4位が中国かアメリカとなっているはずです。3位と4位は領土の定義によって違ってくる差ですが、中国が2位ですか? どこまで自国の領土だと考えているのでしょうか?
それを聞いて、「そうか。中国では、中国が世界で2番目に広い国なのか」と思っていたら、別の中国人が「いや、それは間違いだ。中国の全ての学校では、きちんと3位だと教えている」と真顔で言ってきて、混乱しました。どっちが真実なのだろうと思って、さらに別の中国人に聞くと「中国人の誰に聞いても4位と言うに決まっている。2位や3位と言う中国人がいる? 信じられない。本当か? 一体、誰だ?」と聞いてきて、混乱が深まります。
これは一例ですが、「どれくらいの中国人が普通語を話せるのか?」「1990年代、中国人はどの程度に豊かな暮らしをしていたのか?」など、国民の誰に聞いてもほぼ同じ回答をすべき質問で、中国では、一人ひとり大きく答えが違ってきました。その理由の一つは間違いなく、公的機関でさえ中国の全体像を正確に捉えられていないことです。それは分かるとしても謎なのは、誰もが自分の信じる事実が中国の共通認識のはずだ、と主張することです。地域や時代によって教育が違うのでしょうか? 日本のセンター試験のような大学共通試験はあるはずなのですが。
ただ、今から考えてみると、国家のプライドに関する質問について答えが分かれていたように思います。
ちなみに、日本で習った中国の歴史と、中国で教えている中国の歴史も、ところどころ違います。その違いに気づいたとしても、あるいは、十分に調べて日本で教えている中国の歴史の方が真実だと分かったとしても、それを中国人に指摘することは控えた方がいいと思います。高確率で、中国人から激しく反論されます。

日本史上には類例のない速さで発展中の中国

「東京もオリンピックの前後で大きく変わったものだよ」
北京オリンピックが開催されていた年、中国在住の日本人から上の言葉をよく聞きました。中国も同じようにオリンピックの前後で大きく変わっていたからです。
「ただ、オリンピックの前後で中国は日本以上に変っていますよね?」
そう私が問うと、どんなに中国を見下している日本人でも「まあね」と認めていました。それほど中国の発展スピードは速かったようです。
北京オリンピックの興奮が一気に冷めた頃、20代の中国人女性から、こんな話を聞きました。彼女は子どもの頃、村で唯一テレビを持っている家に住んでいたため、近所の人たちが皆、彼女の家にテレビを見に集まったそうです。これは日本だと、私の父母の世代の話になります。今の日本の少年少女なら、祖父母の世代の話になるでしょう。ちなみに、その彼女の家のテレビは白黒だったそうです。そんな彼女が大学に入った頃には、インターネットを通じて日本アニメを違法ダウンロードして、日本語を学習していたのです。
日本史上のどの時代を切り取っても、昨今の中国の発展スピードには適わない、と思わざるを得ませんでした。

日加センター

バンクーバーに長期留学すると、次第に知ることになる可能性の高い場所が日加センターです。こちらを通じて、私も多くの貴重な出会いがありました。
日加センターでは、ランゲージエクスチェンジする場を提供しています。カナダ人が日本人に英語を教えて、日本人がカナダ人に日本語を教えます。日本人がカナダ人に日本語を教えるのは無料ですが、カナダ人が日本人に英語を教える場合、日本人が日加センターに費用を払います。私はいつもカナダ人に日本語を教えていたので、費用を払ったことはありません。
正直に白状しますが、私はカナダ人に日本語を教えるべき時間に、日本語をほとんど教えず、英語で会話ばかりいました。驚くことに、そこで会った全てのカナダ人(のべ100人以上)が僕との英会話を楽しんでくれて、それで満足していました。問題になったことは一度もありません。
そこでは本当にいろんな人に会いました。日本在住経験のあるカナダ人に多く会いましたし、日本語が流暢に話せない日系人に何名も会いましたし、日本に1回も行っていないが日本に憧れているカナダ人にも会いました。ネイティブカナディアンは日加センター以外では会ったことがありません。日加センターはパーティーも開催しているので、それを通じて日本人の医師、弁護士などの友だちができました。
いろいろ思い出に残っている出会いがありますが、ここではアイルランド人との交流を書いておきます。例によって英語で話していて、ふと彼に「どうしてアイルランドからカナダに来たのか?」と聞いてみました。すると、彼が急に日本語でゆっくり、はっきりと次のように答えたのです。
「ワタシハ、チチモ、ハハモ、スキデハ、アリマセン」
「ワタシハ、ヘンデス」
彼の日本語を聞いたのは、実のところ始めてに近かったので、一瞬呆気にとられましたが、彼の言いたいことはすぐに理解しました。それまでに、彼からアイルランドがいかに保守的な国であるか、私は説明を受けていたのです。つまり、彼のように家族を愛せない人だと、家族関係を重視するアイルランドでは、生きづらかったのでしょう。
“Me, too.”
私がそう言うと、大柄でいつも礼儀正しい彼はなにも言わず、力強く握手してくれました。
興味深いのは、私が儒教について家族道徳を重視しすぎていると批判したとき、家族を愛していないはずの彼がその意見を批判してきたことです。毎度のように彼の反論は理路整然としていたので、私は彼の意見に同意しました。言い負かされたのに、私は嫌な気持ちに全くならず、むしろ、清々しい気分でした。

どれくらいの期間のカナダ留学で英語が話せるようになるのか

英語が話せるという感覚が着くには、だいたい半年間の留学が必要でしょう。逆にいって、半年カナダに留学して、英語が話せない日本人には会ったことがありません。
私は留学前に、シャドーイングという英語学習法を2年間毎日30分から1時間、ほぼ欠かさず継続していました。それでもカナダに来て、気軽に半年留学している日本人に英会話力で負けていたことを認めざるをえませんでした。
私は生まれてから現在まで、外国滞在経験なしで英語が話せるようになった日本人に会ったことがありません。例外は、家族と英語で話しているなど、事実上、外国にいるのと変わらない環境にいる人だけです。やはり外国語学習はLanguage immersion(その言語が話される環境で暮らす)が一番のようです。
ところで、語学学校に通わずアルバイトだけしている人でも、半年ほどすると英語が話せるようになっていました。そうなると、お金を稼げるだけ、アルバイトをしている方が得なのかもしれません。とはいえ、私の知る限り、ワーキングホリデービザで来た人でも、大抵は語学学校に最初の数ヶ月は通っていました。いきなり外国でアルバイトをするのは、やはり勇気がいることなのでしょう。
なお、以上は全てカナダで語学留学した場合の話です。オーストラリアでの語学留学ではこの限りではありません。なぜなら、オーストラリアにワーキングホリデービザで1年間留学したが、日本人とばかり交流して英語があまり話せるようにならなかった、だからカナダに語学留学に来た、という日本人に何名か私は会っているからです。どういうわけか、オーストラリア留学だと英語が話せるようにならないまま1年を過ごせるようです。一方で、カナダ留学だと、そんな人はあまりいません。
もっとも、英語が話せるとはいえ、ネイティブのように話せるようになりませんし、ネイティブのように聞けるようにもなりません。私はカナダに1年半語学留学しましたが、未だに字幕なしで洋画は観ても理解できません(英語字幕ありなら理解できます)。それでも、ブログに書くような内容なら、私はほぼ全ての外国人と意思疎通ができます。

「人生挫折医師の叫び声」について

私ごときのブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。長い人生挫折期間後に医師になった者が発するメッセージです。当初は「独り言」というブログタイトルで気軽に書くつもりでしたが、私のメッセージは(多分、一般の日本人の感覚でいえば)叫び声に近いほどの強い自己主張が入ると思ったので、タイトルを変更しました。
こちらのブログや「未来社会の道しるべ」を読んでくれている方は、かなりのインテリだと推測しています。前回の「将棋・囲碁とコンピュータの未来視」の分かった範囲のアクセス解析では、大学やマスコミや衆議院などからのアクセスが多かったからです。より広く深い教養を要求するこのブログを読む方なら、さらに知的水準の高い方でしょう。建設的な批判や意見、あるいは同意の感想などを書き込んでもらえると幸いです。
全く興味のなかった将棋・囲碁とコンピュータをテーマに8ヶ月もブログを書いたので、こちらもかなり長く続くと思います。今のところ、国際関係のテーマが多いですが、医療、教育、高齢者社会、少子化問題などについては、長く語ることになると思います。「未来社会の道しるべ」と合わせて、読んでいただけると光栄です。

藤澤孝志郎医師の殺人自供に疑問を感じない新人医師たち

医師が新しく処方した薬を、患者が服用した翌日に、急変して死んでしまったら、当然のことながら、医師は青ざめます。自分の指定した薬が原因ではないか、と心底思い悩むからです。しかし、なんの反省の色も見せずに、堂々とそれを公言する医師がいました。メックという医師国家試験対策予備校で教えている藤澤孝志郎医師です。彼は数千名の医学生がネットで観ていることを知りながら、平然と次のように発言しています。

レビー小体型認知症の患者さんに抗精神病薬を出して、次の日に死んじゃったことが2回ありますよ。はっきり言いますけどね。家族から「これで介護しなくてすみました」なんて感謝されちゃってね。ハハハ。微妙だなあ。私は裁判にならなかったんですけど、家族が怒って訴えられたりしているんで、気をつけてくださいね。

これは殺人事件として立件される可能性があります。患者が自ら望む安楽死ですら、日本では医師が有罪になった判決があるのです。家族が納得するかしないかは、殺人罪の成立に関係ありません(あるべきでもありません)。
万一、殺人犯が成立しなかったとしても、上のような発言が人間として許されるわけがありません。人が死んでいるのに、しかも自分がその原因を作っていると認識しながら、笑い話にしているのです。訴えられなければいい、という問題でも断じてありません。
言うまでもなく、医療は人の生死を扱う仕事であり、医師には極めて高い倫理観が要求されます。人間として許されない発言をする者が、医師のような仕事に就くことは決してあってはなりません。
上のような発言をする藤澤孝志郎医師の教え子は全国に毎年4千人以上もいて、そのほとんどが医師になっていきます。しかし、その誰もが上のような明確な医師失格発言をネットで咎めたりはしていないようです。それは患者さんの命を軽視する医師を毎年何千人も生み出すことにもなりかねません。だから、あえて、ここで藤澤孝志郎医師の犯罪行為および医師失格の倫理観を指摘しておきます。

どうして日本人はくだらない話題が好きなのか

日本に英語を教えていたカナダ人からよく聞いた愚痴です。
「どうして日本人は、くだらない問題しか話せないの?」
ディスカッションのテーマとして「代理母出産」「人種差別」「テロ問題」と書いてあるので、適当に選んだテーマで質問するのですが、日本人たちから全く意見が出てこないそうです。仕方なく「好きな食べ物は?」「なぜ日本人の女の子はミニスカートが多いのか?」なんて、死ぬほどどうでもいいテーマにして、議論していたようです。
西洋人は政治や宗教の話が大好きである」に書いたような理由を説明したら、カナダ人は「そうなんだよね」とだいたい同意してくれました。ただし、上のようなことを言われている時点で、日本人が見下されているので、それも仕方ないと思いながらも、日本人の私としては残念でした。
ところで、「どうして日本人はバカな女の子が好きなの?」と西洋人女性から聞かれたこともあります。これについては、いずれもっと掘り下げたいです。

人治国家の中国で法律を守る人は偉いのか?

「中国の役人腐敗はひどいね。なにをするにしても賄賂でしょ?」
私が中国で働いていた時、日本人現地駐在員からよく聞いた批判です。「その役人に賄賂渡しているあなたに、そんな批判する資格があるんですか?」といつも思いながら、私は聞いていました。
こんな日本人にも中国で会ったことがあります。公式な営業許可をとっている日本人A氏が、公式な営業許可をとっていない日本人B氏の商売を潰すため、中国の役人にクレームをつけていました。公式な営業許可をとるために手間も金もかけているので、A氏のクレームも全くの理不尽とも言えませんが、中国での営業許可なんて、大抵、賄賂でもらっているだけなのです。それに、B氏の営業が完全に違法というわけでもなく、むしろ、B氏はA氏の何倍もの金額を投資して、中国現地の経済を活性化させています。そんな事情を全て分かっているので、A氏のクレームを聞いた中国の役人はこう答えました。
「営業許可なんて気にせずに、本業で勝負したらどうですか?」
A氏はその返答に納得しません。
「なにを言っているんだ! B氏は違法営業なんだぞ! 当局は法律に則って取り締まらないといけないんじゃないのか? おまえ、ちゃんと仕事しろ!」
実はA氏が納得していないのは、違法だからではなく、B氏に商売で負けているからなのです。また、A氏は人材力でも、社長としての能力でも、他の多くの面でも、B氏に負けています。A氏自身もそれが分かっているから、当局に訴える、なんて姑息な手段に出ているのです。それも中国の役人は見抜いているので、こう返答します。
「B氏を取り締まって、誰が喜ぶんですか? 喜ぶのは、あなただけですよ。中国の人民も、現地在住の日本人たちも、B氏の商売で生活が便利になって喜んでいますよ」
「だから、法律違反と言っているだろう! 喜ぶとか、そういう以前の問題だよ! 中国人はいつも法律を無視する! なんで俺みたいな法律を遵守する正直者がバカを見ないといけないんだよ!」
A氏が問題の論点を変えて中国批判に及んだので、中国の役人も相手にするのがバカらしくなって、他に仕事に取りかかりました。A氏はさらに喚いていましたが、中国の役人が無視し続けると、A氏は諦めて役所から出ていきました。
本当にくだらないクレームでした。

中国は同質性の社会でない

前回の記事で、韓国は日本のように同質性の社会である、と書きました。では、中国人はどうかというと、実はお互いにメチャクチャ違うのです。よく中国人はマナーが悪いと言いますが、そうでない人も間違いなくいます。極めて優しい人もいますし、すごく冷静沈着な人もいますし、どこまでも思慮深い人もいます。
以前、中国はEUと考えるべきだ、という記事をどこかで読んだ記憶があります。確かに、中国は地域ごとに言語、歴史、住民の性格が違います。ただし、中国は人口も領土もEUより遥かに大きいです。一方で、さすがにEUほど言語、歴史、住民の性格は違いません。また、EUの政治家と比較にならないほど、中国の政治家は権力が強いです(ただし、必ずしも地方まで統制できていませんが)。
むしろ、中国はアメリカに似ている、と私は考えています。中国もアメリカも、一応、国として統合されていますが、地方ごとに政治も経済も文化も異なります。中国人もアメリカ人も自己主張が強く、自国第一主義が強いところも似ています。
もっとも、これはあくまで私の意見です。中国の研究家の中には「昔と比べて、最近の中国人は同質化が進んでいる」と考えている人もいるようです。それが著名に表れているのが言語でしょう。20年ほど前の中国の本を読めば、「中国は多言語社会で、北京語は北京近辺でしか通じない」なんて書かれていますが、現在、そんなことは全くありません。私が中国で働いていた2008年の時点で、上海でも北京語の方が通用しました。文革世代以上の高齢者でない限り、北京語(普通語)は中国全土で通用すると考えて構いません。
以前と比べると、中国の地域ごとの特性は薄まっているのかもしれません。ただし、同じ地域で考えても、中国人は、日本人や韓国人と比べると遥かに、お互いに異なっています。深く付き合った人はそれほど多くありませんが、上海で500人以上の中国人と会った経験から、中国は同質性の社会では全くない、という私の信念は変わりません。もっとも、中国は凄まじいスピードで変化しているので、20年後、40年後になると、その信念も変わっているかもしれません。

韓国も日本同様にpeer pressure(同調圧力)が強い社会かもしれない

私がカナダに語学留学している時、韓国人と日本人が集まってパーティーをよく開いていました。そのパーティーの最中、元韓国大統領が自殺したニュースが飛び込んできたことがあります。韓国人は皆ショックを受けて寡黙になり、パーティーどころではなくなってしまいました。
その時、私は強い違和感がありました。韓国人全員が元大統領の支持者であるように悲しんでいたからです。元大統領は政治家であり、韓国の最高権力者です。任期中の政策が全て正しかったはずがなく、その失敗の責任は韓国の政治家として最大だったはずです。当然、元大統領を嫌いな人はいたに違いありません。著名人の自殺という暗いニュースにショックを受けるのは分かりますが、これで元大統領の批判が完全に許されないような雰囲気まで漂わせるのは明らかにおかしい、と思ったのです。
この例が一番それを感じたことですが、韓国人は日本人同様に画一的です。奇抜なものを許容しません。考え方、感じ方が韓国人同士で極めて似通っていて、同調圧力が強いように感じました。

韓国は短所まで日本に似ている

前回の記事の続きですが、「韓国が日本より上」だと思う理由について、カナダ人に聞くと、こんな返答がきました。
「韓国人は精密機械などの工業製品を作る能力は高いかもしれないが、優秀な文化は作れていないからだよ」
あれ? どこかで聞いたことがあるような批判ですよね。
「韓国人は独創性がないからだよ。西洋や日本などの先進国のマネをしているだけじゃないか」
ごめんなさい。確かに、日本は優れた文明を海外から取り入れて繁栄したのは事実です。しかし、日本はそれをさらに改善し……。て、え? 日本じゃなくて、韓国の批判でしたか?
そうなんです。韓国に対する批判は、日本に対する批判と同じなのです。「日本人に世界で最も似た人たち」に書いたように、韓国は短所まで日本と似ているのです。
自慢になってしまって恐縮ですが、「韓国が日本より上」だと思う理由について、こう言ってくれたカナダ人もいました。
「キミみたいな人が韓国にいないからだ。韓国人はみんな同じだ。異質なものを受容する社会じゃない」
もちろんすぐに、「いや、日本も僕みたいな異質な奴を受容していない」と反論しました。
それはともかく、韓国も日本同様、同質性社会で同調圧力が強い、と感じた事件を次の記事に書いておきます。

カナダ人が言った「日本が韓国に勝っている理由」

日本人に世界で最も似た人たち」に「カナダ人は日本と韓国を同じような国だと思っている」と書きました。確かに、それが多数派ではありましたが、(韓国の方には申し訳ありませんが)4~5人に1人のカナダ人は「日本が韓国より上だろう」と言ってくれました。一方、「韓国が日本より上だろう」と言った人は全く会ったことがありません。特に、韓国に実際に住んだことのあるカナダ人に、「日本が韓国より上」の認識が強くありました。
その理由としては、国全体のGDPでも、一人あたりのGDPでも、日本が韓国より上だからだろう、と私は考えています。ただし、実際に「日本が韓国より上」と考える理由をカナダ人に聞くと、そんな経済的要因を言う人はおらず、文化的要因をあげていました。なお、カナダ人に限らず、西洋人は金銭の多寡で優劣を判断することを非常に嫌います(ように私は思います)。それはともかく、カナダ人があげた「日本が韓国に優越する文化的要因」で、印象に残っている言葉をここに書いておきます。
「だって、サッカーのW杯で自国が勝つと、韓国人たちは狂喜していたのに、日本人たちは落ち着いていたじゃないか」
もっとも、これは7,8年前の話です。韓国が文化的にも経済的にも発展した今なら、「日本が韓国より上」と考えるカナダ人は、さらに少なくなっていると思われます。

韓国が日本より豊かになる

「アイルランドを知れば日本がわかる」(林景一著、角川書店)に、こんなことが書かれています。
「イギリスとアイルランドの関係は、日本と韓国の関係と似ている。アイルランドは常に反英感情を持っているし、韓国は常に反日感情を持っている。そのアイルランドの反英感情は、イギリスとアイルランド両政府があらゆる手段を用いて緩和に取り組んできたが消滅させるには至らなかった。反英感情をほぼ消滅させた最大の要因は、アイルランドの一人あたりGDPがイギリスのそれを追い抜いた事実である。韓国の反日感情をほぼ消滅させるには、韓国の一人あたりGDPが日本のそれを追い抜くまで待つしかないかもしれない」
私が上記の本を読むまで、韓国が日本より豊かになることを想像していませんでした。しかし考えてみれば、留学生同士で比較すれば、韓国人平均は日本人平均より英語力が上回るだけでなく、数学力、知識の量でも明らかに上でした。「国家の富は国民の道徳と教養によって決まる」という概念を私は既に持っていたのに、長年の固定観念から、韓国が日本より豊かになるとまでは想像が及ばなかったのです。
韓国の英語教育熱」にも少し書いたように、韓国は英語だけでなく、数学、国語、理科、社会などの受験勉強に非常に力を入れています。受験戦争全盛期の日本の教育家庭の上級水準が、今の韓国家庭の平均水準ではないか、と思うくらいです。そこまで勤勉で教養のある国民が毎年多く生まれているのですから、かつての日本同様、経済成長が続くのは当然でしょう。ゆとり教育で学習内容を削減して、教養の低くなった日本を韓国が追い抜かない道理はありません。
とはいえ、これは一面的な見方です。これだけなら、日本人より遥かに受験勉強をしていないカナダ人が一人あたりのGDPで日本人を上回る説明がつきません。その理由や、これから日本が進むべき教育改革案については、「未来社会の道しるべ」で論じていくつもりです。

ground rules

“Let’s set some ground rules!”
海外経験のある方なら、このフレーズを何度も聞いたことがあるでしょう。「ground rules」とは、みんなで話し合って決めるグループ内の決まり、くらいの意味です。語学学校のクラスの最初や、国際的なワークショップの最初に言われることがしばしばありました。「時間を厳守する」「積極的に発言する」「みんなと協力する」などがground rulesの定番として、よく提案されます。
ただし、このground rulesは決めるだけで、守らない奴がたくさん出てくるのが普通です。ホワイトボードに書いたものの、いつの間にか消す場合がよくあるので、ground rulesの内容を忘れることも珍しくありません。当然、ルールを破ったチェックはろくに行われませんし、罰則はありません。決めることだけが目的なら、「ルール」と言うより「目標」、いえむしろ「願望」に近いのではないでしょうか。
「ルールと言うからには、ちゃんと記録して、違反を調べよう。罰則も決めよう」
私はそう提案しようと思ったことが何度かありますが、どう考えても場の空気を壊すように感じたので、いまだ一度もしたことがありません。
国際的なワークショップでは、ground rules作りのような一定の流れがあります。できるだけ体を動かす、グループ内で討論する、最後に講評する、などです。最近は日本のワークショップでも、その国際的な流れを取り入れているように思います。よくよく聞けば、どうもアメリカのMBAなどでも行われている手法らしいのです。
しかし、社会人経験のある方なら感じるでしょうが、はっきり言って、子供だましです。「稼ぐまちが地方を変える」(木下斉著、NHK出版新書)でも指摘しているように、ワークショップそのものは楽しくなるかもしれませんが、実質的な効果はほとんどない場合が多いです。
「ワークショップの進め方」に限らず、「英語の文章の書き方」、「パワーポイントでの発表の仕方」、「新しい発想の求め方」などを、私はカナダで教わりました。そのほとんどは「当たり前のこと」か「別にこだわらなくてもいいこと」でした。
「国際標準だから」、「ハーバードで使われているから」、「MBA流だから」などの理由で、形式だけを金科玉条のように守ろうとする人はカナダにもいます。しかし、その真の目的を忘れて、形式だけ守っても、無意味な儀式になってしまいがちです。私は自分にも有益だと思えること以外、つまり、教えられたことのほとんどを無視していました。
ただし、ここがカナダ人の凄いところだと思ったのですが、本当に教養の高いカナダ人はせっかく教えた発表の仕方や、文章の書き方を私が無視しても、その内容が素晴らしければ、褒めてくれたことです。
そのため、「クラスの最初だから先生の性格が分からなかったけど、『罰則を決めないのなら、ground rules作りなんて無意味でしょう』と発言すればよかった」と後で思ったこともあります。

「カナダ人は怠け者だ」

私がカナダの語学学校に通っていた頃の話です。
その語学学校では4週間1タームで、タームの1週間目だけクラス変更を受けつけており、その事務処理でミスが頻繁に起きていました。なにごとも正確に処理する日本人の感覚でいえば、カナダ人の仕事はほぼ全てテキトーです。
私のクラス変更も間違って処理されたので、もう一度、クラス変更をお願いしたら、またも間違っていました。2度目も間違っていると分かったのはターム2週目に入っていました。2週目になると、どんな理由であれクラス変更は認められないと校則に書いてあります。他の日本人生徒から「僕も同じ目に合ったよ。事務員にクレームを言ったが認められなかった。我慢するしかないよ」と言われましたが、「なんで向こうのミスでこちらが受けたくもない授業に金払わないといけないのか!」と怒りのおさまらなかった私は、事務員にクレームを言いにいきました。
ミスした張本人のくせに、事務員は謝りもしないで、「そういうことはありえる。別に同じレベルのクラスだからいいじゃない。先生の好き嫌いはよくない」などと説教してきます。「ふざけるな!」と思った私は「カナダ人はlazyだ! ここが日本だったら、おまえなんかクビになっている!」と発言してしまいます。
それまでパソコンに向かいながら私と話していた事務員が急にこちらに向き直って、「カナダ人がlazy? そうでない人だっている。一体、あなたは誰のことを言っているのか?」と真面目な顔で聞いてきます。
「だから、カナダ人だよ! 事務員の仕事は間違いだらけじゃないか! 先生はいつも5分遅れてくるじゃないか! 毎回5分遅れてきたら、どれくらいの授業料が無駄になっているのか分かっているのか!」
「それは問題だ。しかし、遅れていない先生がいることは知っている。具体的にどの先生が遅れてくるか教えてくれますか?」
私は少し落ち着いて、よく遅れてくる先生の名前をあげました。
「分かりました。注意しておきます。これからも先生の遅刻などの問題があれば、ここに伝えてください。それで、クラス変更したいんですね? では、今回だけ特別に処理しておきます」
「え! クラス変更処理してくれるの?」と私が驚いて戸惑っていると、彼女はこう言ってきました。
「カナダ人がみんなlazyではありません。欠席や遅刻を繰り返すlazyな日本人生徒がいることも私は知っています。申し訳ないが、他の仕事もあるので、あなたの番はこれまでです」
それで私は去ったわけですが、その時、私が「Thank you」と言ったかどうかまでは覚えていません。次の日、クラス変更は私の希望通りに処理されていました。

カナダで会った中卒日本人

日本人語学留学生はどんな人が多いか」の記事にも書いた通り、カナダで留学している日本人が幸せすぎることに、私は驚きました。私の勤めた会社では、同僚たちが雑談を10分すれば「仕事辞めたい」という愚痴が必ず出ていたので、そうでない会社が日本に多くあると知って、愕然としました。
ただし、一人、「留学すると同僚に言ったら嫉妬されるから、とても言えなかった」とこぼした日本人がいました。聞けば、中卒だと言います。私のようなブラック企業勤務なのか、と思って友だちになりましたが、実際は、恵まれた中卒でした。
彼女は製薬工場に勤めていました。毎月の手取り給与は大卒の私より上なのに、9時5時勤務で、残業はほとんどないそうです。私は毎日サービス残業していましたが、彼女は残業すればちゃんと残業割増料金をもらっていました。これだけでも世の中の不公平さを痛感するのですが、彼女はさらに驚くべきことを言います。
新しい薬の製造ラインを作るプロジェクトが発生して、彼女が抜擢されたそうです。「すごいですね」と私は彼女を褒めましたが、なんとそのプロジェクトは通常勤務時間帯に話し合われ、1年もかけてチンタラ進めたそうです。「え? その間に、もともとキミがしていた仕事は?」と聞くと、彼女は私の質問の趣旨を一瞬理解できず、趣旨を理解すると「他の人がしていたと思います」と言います。しかも、彼女にはそのプロジェクトに関わったため、特別割増手当まで支払われていました。私のいたブラック企業では、そんなプロジェクトは通常勤務時間外に毎晩話し合われて(通常勤務時間帯はもちろん、通常勤務をしています。私の代わりなんていませんから)、急ピッチで企画が決まり、そのための残業代は出ませんし、まして特別割増手当なんて出ません。
この例に限りませんが、留学中に他の社会人から日本での仕事話を聞いて、(その頃流行した言葉でいえば)「勝ち組と負け組でここまで人生が違うのか!」と何度も衝撃を受けました。カナダで私は、カナダ人からと同じくらい、日本人からも多くのことを学んでいます。
「どうして私より低学歴の人より、私は恵まれない職業に就いていたのか?」
その答えが「バブルの残り香もない時代に社会人になり、新卒一括採用を経験しなかったからである」と確信したのは、それから数年後の話です。私の一生の不覚の一つです。

日本人語学留学生はどんな人が多いか

語学留学で5ヶ国(カナダ、イギリス、フィリピン、マレーシア、ニュージーランド)に行った私の実感から書いておきます。当然、正確な統計ではありません。長期留学はカナダだけなので、カナダに偏った情報にはなっています。
・年代……20代が多い
20代が圧倒的に多いです。80%は20代だと思います。ワーキングホリデーにあてはまる年齢が多く、それを越えると急に少なくなり、30から34才で1割、35才以上は全ての年齢を合わせても1割くらいでしょう。
・職業……看護師が多い
短期留学だと学生が全体の3分の2以上を占めて、圧倒的に多いです。逆に長期の語学留学(半年以上の留学で、ワーキングホリデービザでも語学習得が目的の人含む)だと、社会人が4分の3くらいを占めます。社会人といっても、前職を辞めている人が80%以上なので、厳密にいえば社会人というより無職になります。そして、その前職でダントツに多いのが看護師です。
語学留学する社会人の3人に1人は看護師ではないか、と思うくらいでした。私の場合、200名は日本人に会っていますが、学生以上に看護師に会いました。なぜ看護師が多いかといえば、高給ですぐに留学費用が貯まる上、再就職の心配がないからです。看護師はいかに恵まれている資格か、改めて認識しました。
・精神状況……日本では安定していたが多い
これが私にとっては、予想していないカルチャーショックだったのですが、私の想像を絶するほど幸せな人が多かったです。カナダに来てから始めて挫折を味わう人も多かったのですが、私にとっては「その程度が人生で一番の挫折?」と思うことが少なくありませんでした。日本でブラック企業に務めてストレスばかり感じていた人なんて、私くらいでした。ブラック企業で働いていたとしても、職場でちやほやされていたり、要領よく仕事していたりして、ストレスをほぼ感じていない人たちでした。
・名前……「子」のつく女性が多い
これは私だけの経験かもしれませんが、今どき名前に「子」のつく女性が異常に多かったです。カナダ人も韓国人も、日本人女性は名前の最後に「ko」がよく着くね、と言っていましたが、「それは昔の話だ。今は女性で『子』がつく女は1割切るはずだけど、なぜかカナダに来る留学生には妙に多い」と説明していました。
・学歴……医療業界以外は大卒
大卒が3分の2以上でした。私が分かった範囲でいえば、高卒は看護師をはじめとした医療業界の人くらいです。中卒の人は、たった一人だけ会ったことがあり、やはり医療業界で働いていました。
その人についての記事を次に書きます。

下剋上受験はヤクザの作品である

「下剋上受験」という本があります。中卒の父親が自ら熱心に学習指導して、娘を塾にも通わせずに、難関私立中学に合格させる物語です。父親自身が勉強の重要性や面白さを知っていくところは、感動して読んだ方も多いかもしれません。
しかし、私にはその内容以上に気になる点があります。著者の桜井信一氏がヤクザかそれに類する仕事に就いている(もしくは就いていた)可能性が極めて高いことです。確たる証拠はありませんが、中卒の桜井氏が建売住宅の仕事に就いた経験があり、自分自身でもそれをいかがわしい仕事だと認識していることから、ある程度の社会経験のある方なら、著者がヤクザだと即座に連想したはずです。そうなると、この著者のために破産した人、自殺に追い込まれた人は、何人いるのか分かりません。だからこそ、著者は自分の職業、素性を徹底して隠しているのでしょう。単に中卒のガテン系職業であるだけで、保険証も使わずに心療内科に通って、中学受験の娘の面接で父親の仕事を伝える必要に怯えて弁護士に相談するなんて、常識で考えてありえません。
当初、「著者がヤクザであることはみんな分かっているが、単に言葉にしていないだけだろうか」と思っていたのですが、そうではなく、著者がヤクザの可能性が高いと想像できていない人が本当に多くいるらしい、と分かったので、ここに書いておきます。
多くの読者が感じた通り、著者は並みの大卒以上の思考力があり、文章力も素晴らしいです。もともと頭がよかったこともあるかもしれませんし、不動産業界での法律事務や中学受験勉強を娘と一緒にした効果から、あれほどの本を書けたのだと思います。それくらい知性の高い人なら、中卒の父親が娘に自ら指導して、進学塾でもまず起こらないほどの成績向上を達成した感動ストーリーに、わざわざ自身の職業を隠す必要がないことくらい分かります。そんな感動ストーリーを全て台無しにするかもしれないくらい、自分の仕事が反社会的であることを分かっているから、職業を伏せたのでしょう。あるいは、それとなく仄めかしたつもりなのに、誰も気づかないことで、エリート集団の能天気さに著者は驚いているかもしれません。
社会のエリート集団は、ヤクザなどの反社会勢力の問題意識がないだけでなく、それが社会にどのような悪影響を及ぼしているかの知識も全くないようです。ネットで調べたら、この著書を絶賛しているジャーナリストまでいました(http://webronza.asahi.com/national/articles/2017020100013.html)。この記者は歌舞伎町のキャバクラ嬢の頭の良さに圧倒されたことから、頭の良さは学歴と関係がなく天性のものだ、と教育や努力の重要性を否定するような記事まで書いています(http://webronza.asahi.com/national/articles/2016102100005.html)。
そういえば、私も低学歴ながら世界史を大きく動かした「天才」を一人知っています。斬新で絶大な効果のある演説で聴衆を魅了し、弱小政党を民主選挙で国会の最大勢力に躍進させ、今の日本の比ではない破滅的な大不況から軍需産業や公共投資などで失業率をほぼゼロにして、大戦争の敗北から自尊心を失っていた国民に大いなる誇りを抱かせた「天才」の名は、アドルフ・ヒトラーです。
上の記事を書いたモラルの欠片もない杉浦由美子氏を知っている方がいたら、歌舞伎町の風俗業界にはヤクザが裏で必ず関わっていること、風俗業界が社会にとめどない害悪を及ぼしていること、身の毛もよだつ凶悪犯罪の多くにヤクザや風俗業界などが絡んでいること、といった社会常識を教えてください。また、杉浦由美子氏に教育記事を書く最低限のモラルがないことくらい、ジャーナリスト業界は判断できるようになっておいてほしいです。

韓国人が多いところほど英語教育の質が高い

バンクーバーでの語学留学期間が長くなるにつれ、私はある法則に気づきました。
「質の高い語学学校ほど韓国人が多く、質の高い先生がいるクラスほど韓国人が多い」
語学学校に通学権利のネット売買」の例にもあるように、韓国語のネット上では語学学校の情報が大量に存在しているようです。また、「日本人に世界で最も似た人たち」に書いたように、韓国でも日本でも英語教師の給与があまり変わらないことや「韓国の英語教育熱」の記事の例からも、韓国人の英語にかける熱意は日本人の比ではないことは分かるでしょう。
さらに、「バンクーバーは世界最高の英語学習都市その1」に、バンクーバーが世界最高の英語学習都市である根拠として、バンクーバーは世界で唯一カンバセーションクラブのある英語圏の都市であるから、と書きましたが、実は「英語圏」以外なら、カンバセーションクラブのある都市があります。ソウルなど韓国の都市です。そもそも、カンバセーションクラブは、韓国にあった有効な語学学習法をバンクーバーにも輸出したものが起源ではないか、と私は推定しています。バンクーバーのカンバセーションクラブには韓国人経営のものが複数あるからです。
だから、英語を効率的に学習したいのなら、韓国人の模倣をすればいい、と私は思います。
その韓国人が大学を1年休学して留学する場合に頻繁に登場する経路が、フィリピンの語学学校で数ヶ月英語を勉強して、カナダなどのネイティブの国で残りの期間、英語を勉強する経路です。私の感覚だと、特に男子学生に多かった経路です。
TOEICは日本と韓国でしか通用しない資格である」に書いたように、韓国人は日本人と同様の英語学習をしてきているので、英語学習熱の高い韓国人の模倣は、日本人にとっても活用できるはずです。最近ネットで調べてみて知ったのですが、韓国人が日本人より英語が上手いのはTOEFLの国別平均点数などにも示されているので、ここは謙虚に韓国人を見習いましょう。

TOEICは日本と韓国でしか通用しない資格である

「韓国の英語教育熱」の記事では、韓国と日本の英語教育の違いを書きましたが、一方で、共通している点もあります。
TOEICを英検と違って世界共通の英語能力テストである、と勘違いしている日本人はいまだ少なくないと思います。私もカナダ留学の直前までそう信じていましたが、留学前にいろんな語学情報を集めているうちに、そうでないことを知りました。ただし、その時は「TOEICは日本でしか通用しない資格」とまだ正確でない知識でした。タイトルにあるように、カナダに来てから「TOEICは日本と韓国でのみ通用する資格」が正しいと認識できました。
韓国人に直接言うと怒るので注意してほしいですが、韓国の教育制度は、概ね、日本を模倣しているようです。英語は韓国の学校でも文法中心に教えているらしく、韓国人は日本人同様の英語のミスをしたりします。
面白かったのは、韓国人の英語の発音まで、日本人の英語の発音と極めて似ていることです。日本人にとって最も聞きやすい英語は、日本人の英語ですが、次に韓国人に英語になるでしょう。韓国人の英語はネイティブの英語より聞きとりやすいです(韓国人を見下している日本人なら、これを否定します)。そもそも韓国人の韓国語の発音ですら、日本人の日本語の発音と似ています。これは韓国が約35年間日本領で、日本語教育が強制された歴史と関係しているのではないか、と私は推測しています。
就職の英語資格でTOEICの点数を参考にするのも日本と韓国で共通していますが、「韓国の英語教育熱」の記事の例で示したように、韓国の就職では日本よりも遥かに英語能力が重視されているようです。
ところで、TOEICでなければ、どんな資格が世界的に英語能力として通用しているかというと、私の知識では、アメリカではTOEFLで、他のイギリス連邦の国ではIELTSです。ただし、カナダはイギリス連邦の国ではあるのですが、アメリカの影響が非常に強い国なので、TOEFLもかなり通用するようす。

韓国の英語教育熱

「教育費は子ども一人月30万円かかるから、稼がないといけないでしょ」
カナダで看護師なろうとしている韓国人がその志望動機として給料の高さをあげたので、「お金のために看護師になるんですか?」と私が言うと、上の返答がきました。私の真意は伝わらなかったわけです。
それはともかく、これが日本人の言葉なら、「世間知らずにもほどがありますよ。月30万なら年間で360万円ですよ。私立の高3で、予備校通わせても、そこまでの費用はかかりません。さらに家庭教師でもつけるつもりですか?」と私は言い返すところです。しかし、韓国人の教育熱の高さがだんだん分かってきていたので、「ええ! 韓国だとそんなにかかるんですか?」と素直に驚いてしまいました。
7,8年前、バンクーバーの語学学校では、だいたい日本人と韓国人が1対1の割合でいました。多くの日本人は昔の感覚が抜けないのか、「カナダに留学に来る韓国人は母国では金持ちだろう」と言っていましたが、韓国人は日本人の半分しか人口がいないことを考えると、そんなはずがありません。
ちなみに、一人当たりのGDPも、当時は韓国が日本の半分程度でした。春休みや夏休みだけの短期留学でなく、半年以上の長期留学になると、日本人の場合、明らかに社会人が多いのですが(私の感覚だと、学生:社会人=1:5)、韓国人の場合、明らかに学生が多かったです(私の感覚だと、学生:社会人=5:2)。日本人と同様、韓国でも学生で長期留学するなら、やはり大部分は親からの資金援助に頼ります。そうなると、韓国人の親は子どもの教育費に、日本の親と比較にならないくらい、高い出費割合をかけていないと、つじつまが合いません。
また、語学学校での日本人と韓国人の男女比の違いにも差がありました。日本人の場合は男:女=1:2くらいで、韓国人の場合は男:女=1:1くらいでした。日本だと、なぜ女性が多いかといえば、単純に語学に興味のある人がカナダで語学留学しているからでしょう。一方、韓国人の場合、英語が就職に必須であるため、語学への興味に関係なく留学しているようです。その証拠に、カナダ人が英語学習動機を聞くと、日本人なら「外国人と接して英語の必要性を感じたから」「世界中の人とコミュニケーションとりたいから」といった理由が多いのですが、韓国人なら「就職に有利だから」と口を揃えていました。
カナダでは、語学学校だと日本人と韓国人はほぼ同数になりますが、中学校や高校だと日本人より韓国人の方が多く、大学になると日本人に対する韓国人の比率がさらに高くなる、というのは現地の学校を知っている日本人の一致した意見でした。
あるベテランの語学学校教師から聞いたのですが、20年以上前になると「語学学校=日本人のための学校」というイメージがカナダでもあったようですが、現在、それは全く成り立ちません。また、日本人ほど英語学習熱が強い国民はいない、という伝説を私がカナダから帰国した後でも、たまに見かけることもありますが、それも昔しか知らない人の言葉と思って間違いありません。

語学学校に通学権利のネット売買

私がバンクーバーの語学学校に通っていた時、仲良くなったクラスメートの韓国人から、こんなことを言われました。
「実は僕、ジョンフンじゃなくてトンヒョンなんだ」
先生も他のクラスメートも彼をジョンフンと呼んでいたので、意味が分かりません。詳しく話を聞くと、彼=トンヒョンはネットを通じて、「ジョンフン」という学生から語学学校に行く権利を購入して、「ジョンフン」のふりをして語学学校に通っている、ということでした。
日本人もよくする失敗なのですが、長期通学にするほど語学学校はお得になるので、母国にいるうちに半年通学や1年通学と契約してしまい、カナダに来てから他の語学学校やカンバセーションクラブに通いたくなったりする場合があります。この場合、日本人なら我慢して通うか、わずかな解約金を受け取って辞めるのですが、韓国人ならネットを通じて語学学校に行く権利を売り出すのです。それを買う方の韓国人にとっても、通常より安い費用で語学学校に通えるので、お得です。
このシステムはバンクーバーにいる韓国人にとっては常識のようでした。一方、バンクーバーにいる日本人からそんなシステムが存在する噂は全く聞きませんでしたし、そんなシステムを仲介する日本語サイトも見たことがありません。
このシステムから韓国人の遵法意識の低さを見てとることもできるでしょうが、韓国のネット利用の発達度をうかがい知ることもできるのではないでしょうか。

韓国人の英語名

バンクーバーの語学学校やカンバセーションクラブでは面白い現象があります。ほとんどの韓国人が本名ではなく、英語名を名乗るのです。最初の自己紹介の時に韓国人がJudyやMikeなどと名乗り、先生もクラスメートもその名前で呼ぶのです。「Judyなんて顔じゃないだろう」という陰口を言っていた日本人もいました。なぜ英語名を名乗るのか、友だちの韓国人にも聞いてみると、「韓国人はそもそも英語名を持っている人が多い」と返答されました。
韓国人はキリスト教、仏教、無宗教がそれぞれ3分の1ずついます。キリスト教徒の場合、ホーリーネイムという宗教名をもらうそうで、それをカナダに来てからも名乗っているみたいです。しかし、その理屈だと3分の1程度の韓国人しか英語名を持たないはずです。明らかに3分の1以上の韓国人が英語名を名乗っていることと矛盾します。
これについて、今日、改めてネットで調べてみると、単純に韓国人名が発音しづらいから、という説が有力のようです。また、他のアジア圏の人も英語名を名乗っている、と書いてありました。
確かに、日本人名もカナダ人には発音しづらいので、名前の最初の二文字だけをニックネームとして使っている場合もありました。たとえば、シンゾウなら「シン」になります。ただし、それでも縮める程度で、韓国人たちのように本名と全く関連のない英語名を名乗っている日本人に会ったことはありません。それくらい、日本人は自分の名前にプライドを持っているように私は思います。
ここから先は余談になりますが、どう考えても、英語名あるいは仮名を使うべきだろう、と思う日本人にも会ったことがあります。「ユウ」という女性です。はい、その通りです。英語のyouと同じ発音です。
それは紛らわしいですよ。「あなた」という名前の外国人がいたらどうなるか、想像してみたら分かりそうなものです。英語の場合、相手が先生だろうが親だろうが、二人称は全てyouなので、なおさら紛らわしいです。その日本人女性とはカンバセーションクラブで会って、先生も私も「他の呼び名をつけたら?」と提案しました。しかし、その女性が「いえ、ユウでお願いします」と言うと、先生はあっさり認めていましたが、私は「自分の名前呼ばれて、自分と分からなければ名前の意味がないじゃないか。どこまで自分の名前にプライド持っているんだ?」と呆れていました。

skype英会話より留学を勧める理由

留学できない場合なら、skype英会話は英語学習に有益だと思います。費用の面では、skype英会話がもっとも安い会話による英語学習法であることは確かでしょう。しかし、私自身は長期間skype英会話を経験したことがありません。やはり、留学した方が時間効率の点で遥かに優れていると思ったからです。
skype英会話の欠点はいくつかあげられますが、なんといっても次の二点です。
1、先生の英語力が低い
skype英会話だと、例外はあるものの、先生はフィリピン人だと考えていいです。カナダに語学留学してからskype英会話を経験した私としては、これが最も気になるところでした。前回の記事でフィリピンの語学留学を紹介しましたが、フィリピンの語学学校だと、まず採用されないような先生にskype英会話ではよく会いました。だから、skype英会話でフィリピン人の英語力の低さに失望したとしても、フィリピンの語学留学を計画からはずす必要はありません。
2、skypeでの会話は対面の会話と異なる
日本語でもそうですが、skypeだと対面で会話するよりも、会話スピードが遅くなりがちです。映像を使って話しても、対面の会話で受ける情報量の半分以下になっているように私は感じました。
この二つの要因があったため、「skype英会話なら独学で勉強した方がまだ有効ではないか」という気がして、skype英会話はやめました。

フィリピンの語学学校事情

こちらこちらの記事とで、バンクーバーは世界最高の英語学習都市と主張しましたが、唯一の対抗馬があるとしたらフィリピンだと思います。
フィリピンの英語学校の最高の長所は、やはり安いことです。バンクーバーのカンバセーションクラブの先生1対生徒4人よりもさらに効率的なマンツーマン授業が格安で受けられます。語学学校の申込は通常、宿舎もセットで着いていて、当然、学校と宿舎は近くにあり、場合によっては、同じマンション内にあります。だから、語学学校の他に下宿先を探す手間が省けます。また、フィリピンは発展途上国だけあって治安も西洋先進国よりも悪いのですが(もちろん西洋先進国は日本より治安が悪いです)、通常、学校と宿舎は警備員によって監視されているので安全です(フィリピンではほとんど全ての大きい建物に警備員がいて、デパートなどでは簡単な荷物チェックを受けないと入れません)。
なお、フィリピンの語学学校のほとんどは韓国人経営です。そのため、1日3回の食事もフィリピン人が作っているものの、韓国料理です。フィリピンの語学学校は、まず韓国人と日本人しかいません。学生が短期留学する春休みや夏休みを除けば、韓国人の方が多いです。
以上のいくつが合わない日本人も、もちろんいます。マンツーマンの場合、先生の言っていることが分からないと大変気まずくなります。ネイティブでないので、発音がおかしかったり、英語がそれほど上手でなかったりするフィリピン人もいます。韓国料理が合わない日本人もいます。とはいえ、こういった悩みはカナダに語学留学する人にもあります。私の主観的な判断でいえば、カナダの語学学校で鬱になる日本人の割合が、フィリピンの語学学校で鬱になる日本人の割合より、3倍くらいは高かったように思います。フィリピンの場合、同じ宿舎内に日本人がたくさんいるので、そこでガス抜きができることが鬱にならない原因ではないかと推測しています。
フィリピンの語学学校だと平日は朝から夕方まで英語を勉強しますが、土日は宿舎で仲良くなった日本人と観光することが一般的です。私自身は経験がありませんが、仲良くなった先生に料金を払って、フィリピン観光してもらう人もいるらしいです。
日本資本やアメリカ資本の語学学校もフィリピンに一部ありますが、お勧めしません。韓国資本の語学学校がより高品質だと考えるからです。私自身は韓国資本のフィリピンの語学学校しか行っていないのに、そう確信する理由は、これからの記事に書いていくつもりです。

マレーシアの新首都プトラジャヤ

マレーシアの友人から観光すべき場所を聞いたら、新首都のプトラジャヤと言われました。持参の地球の歩き方で調べてみたところ、半ページしか載っていません。彼が案内してくれるわけでもなく、ガイドブックの参照もなしで観光するのは不安でしたが、「キミなら確実に面白いと思う」と彼が言ってくれたことを信じて、プトラジャヤに行ってみました。
彼の予想は当たっていました。プトラジャヤは私の想像を遥かに上回る大規模でキレイな官庁街でした。世界中で、プトラジャヤより美しい官庁街を私は知りません。少なくとも、日本の官庁街とは比較にならないほど壮麗です。プトラジャヤの街全体も計画都市らしく、建物、道路、自然の全てが秩序だって整備されています。
その観光中、世界最古の地下鉄であるロンドンtube(地下鉄)の不便さを思い出しました。一人しか通れない狭い幅の通路があったり、駅の入口を間違えると乗れない電車があったり(実は東京地下鉄にも極めて稀ながら、そんな駅があると後に知りました)、大英博物館に最も近い駅に土日は止まらなかったりして、不便この上ありませんでした。同じ国内でも、世界全体でも、最近に作られた地下鉄ほど、過去の反省を活かしているので、便利です。首都にしても同様のことが言えるでしょう。最近に作られた首都ほど、機能的にも芸術的にも優れている傾向があります。
ロンドンtubeだって、日本で最も汚くて臭い東京の地下鉄だって、その国で最も利用数が多いので、全面的に新しく再建したいはずです。しかし、そのための様々な負担を考慮すると、やはり難しいのでしょう。特に金銭的な負担は大きいのではないでしょうか。マレーシアのように経済発展の余地の大きい国なら、莫大な財政費用も、経済成長に伴うインフレで負担を大幅に軽減できるでしょうが、先進国であるイギリスや日本だと、経済発展の余地が少ないので、莫大な財政を出費すると、100年以上かけて、その借金を返さないといけないかもしれません。
また、同様のことは政治制度、行政機構、法律体系についても言えると思っています。私はこちらの記事で、国連にも加盟していないソマリランドという国に、政党選挙という日本でも参考になる制度があることを紹介しました。さらに、日本のある法学部は、日本の法律体系の欠点を修正したものを、アジアの新興国の新しい法律体系に導入させる役割を担っていたりします。
日本人はいつまでたっても欧米先進国しかお手本にしないように思うのですが(私などはまさにそれです)、先進国でないからこそ存在する新興国の長所にも、注目すべきでしょう。

南米ではパーティーに飛び入り参加できる

南米ではパーティーは誰でも飛び入り参加可能らしいです。そのパーティーに招待されていなくても、そのパーティーに知り合いがいなくても、そのパーティーかなんのパーティーかすら知らなくても、大人数で賑やかに騒いでいる家を見つけたら、飛び入りで参加しても、まず許されるのです。
私はこの話をコロンビア人からカナダで聞いて半信半疑だったので、帰国してからベネズエラ人にも本当か聞いたのですが、それは可能だ、と言っていました。
「そうしたら、犯罪者など、パーティーを台無しにする奴が参加する可能性があるじゃないか」
「まあね。でも、パーティーを台無しにする人を恐れるよりも、パーティーをより面白くしてくれる人を期待した方が、人生楽しめると思わない?」
こんな発想は日本人にないだろうな、と思わずにはいられませんでした。

日本人と世界で最も違う人たち

「〇〇人は日本人と世界で最も違う」と言う人がいます。〇〇には大抵、その発言者にとって大嫌いな国民が入ります。人種差別につながりかねない発言で、そういった問題に敏感な北米ではまず許されない言葉のように思うものの、私がこのフレーズを最も頻繁に聞いたのはカナダ在住時です。ある程度、世界中の人を知らないと言えない言葉なので、多民族国家でこそ聞く言葉だ、という考え方もあるかもしれません。
ある日系カナダ人は〇〇に中国を入れていました。その心は、日本人は世界で一番礼儀正しいが、中国人は世界で一番マナーが悪い、というものです。たまに日系人が並みの日本人以上に日本びいきになることがあるように思いますが、その人はまさにそれでした。聞けば、中国人が嫌いな理由として子どもの頃からカナダで中国人と間違えられてばかりだから、と言っていました。
カナダのある日本人の語学学校経営者は、〇〇に南米を入れていました。その心は、日本人ほど慎み深い人はいないが、南米人ほどあけすけな人はいない、というものです。この説を自身の経営する語学学校の日本人生徒たちの前で披露していたのですが、なぜそんなことをしていたかと言えば、語学学校で委縮して英語をろくに話せない日本人が多くいるからです。南米人のように陽気になって、多少の失敗くらい笑い飛ばせ、と激励したかったわけです。その意見には同意できるのですが、「日本人は農耕民族である」という(昔の教科書に載っていた)都市伝説を引用して、「だから、日本人は平和を尊ぶが、欧米人は狩猟民族のため戦わないといけない。ここはカナダだから、キミたちは日本でのように慎み深くては生き残れない」とさらに人種差別発言をするのには、呆れました。
とはいえ、私自身も、南米人と日本人で大きく違う、と感じた事件がありました。それを次の記事に書きます。

プロ将棋で始めての3連敗4連勝

プロ将棋の歴史で始めて3連敗4連勝が起こったのは、昨今のソフト使用スキャンダルの舞台となった将棋界最高峰の竜王戦です。対戦者どちらも永世竜王位がかかった2008年の羽生VS渡辺でした。この竜王戦に羽生氏が勝てば史上初の永世7冠が約束され、国民栄誉賞が授与される、という噂があり、まさに世紀の大勝負でした。そこで、将棋で極めて起こりにくい3連敗4連勝が出てしまいました。必然的に、勝った渡辺氏がソフト使用疑惑を持たれます。ただし、幸か不幸か、今回のスキャンダルほど大きな話題にはなっていません。
2008年といえば、既にソフトが底辺プロより強くなっており、特に終盤にソフトを使えば極めて有効であることは、将棋ソフトをある程度知る人には自明のことでした。信じられないことに、4000万円という莫大な賞金に、永世竜王という名誉がかかった大勝負にもかかわらず、この時、「ソフトを使用してはいけない」というルールがありません。当然、休憩中の監視などされていません。そうであるなら、この場合に最善を尽くすとは、休憩中もソフトを使って「研究」することではないでしょうか? もしそこでのソフト使用が責められるなら、法の不遡及の原則から、ソフト使用不可のルールを作っていなかった将棋連盟がまず責められるべきである、という反論だってありえたでしょう。
その前も、その後も、渡辺氏は賞金額のバカ高い竜王戦だけは妙に強かったので、ソフト使用疑惑はその前も、その後も生じています。しかし、その疑惑を将棋連盟はまともに相手にしませんでしたし、ソフト使用禁止のルールすらもつい最近まで作りませんでした。
ところで、今回のソフト使用スキャンダルで騒いだ人に次のように質問したら、どう返答するのでしょうか。
1、現在、なぜ上の渡辺氏の疑惑は問題にならないのでしょうか?
2、ソフト使用疑惑なんて、現在、全ての棋士にかけられることを理解できますか?
3、どうして今回の竜王戦のソフト使用スキャンダルだけに騒ぐんですか?(みんなと一緒でないと非難できない臆病者なら黙っていてほしいです)
4、上の渡辺氏の疑惑について、大金をかけて調べたとしたら、真相が全て明らかになると思いますか?
5、真相が明らかにならない確率を考えれば、上の渡辺氏の疑惑を大金かけて調べる価値があると思いますか?
6、今回のソフト使用スキャンダルについて、まだ調査に不満を述べる人は、これ以上金をかけて調査しても真相が明らかにならない確率を考えていますか?
5については、「4000万円もかかった勝負だぞ! しかも渡辺が竜王戦に勝ったのは何回あるんだ! 調査に1千万くらいかける価値は十分にある! そして、もしソフト使用が明らかになったら、渡辺に借金させてでも全賞金を返させろ! 仮に真相が分からなかったにしても、渡辺にプレッシャーはかけられる!」という意見もあるでしょう。
そこまで考えられるなら、「そもそも将棋に勝った程度で数千万円もあげているから、こんなくだらないスキャンダルが起こるんだ」と考えるまで、あと一歩なのではないのでしょうか。

将棋より囲碁で3連敗4連勝が多い理由

「(2006年当時)プロ将棋界では3連敗4連勝が一度もありませんが、プロ囲碁界では3連敗4連勝が5回もあります。どうして、将棋より囲碁で3連敗4連勝が起こりやすいのでしょうか?」(https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2014136.html
驚いたことに、ネットを探すとこんな疑問を持つ人がいたようです。
「え? なんでそんなこと疑問に思うの? 当たり前じゃん? それが逆だったら、疑問に思うのは分かるけど」が私の正直な感想です。
もっと驚いたことに、その質問に3人が答えていますが、見事にどれも不正解です。
答えはもちろん、「囲碁は将棋より複雑であるので人間の考えが及ぶ割合が低く、囲碁の勝敗は運の要素が将棋より大きくなるため」です。それ以外にケアレスミスの要素や、研究が棋士に広まる要素などもあるのですが、まず上の理由はあがらなければなりません。質問者も含めて4人の日本人が考えて、この理由が出てこないのが不思議です。
圧巻なのは、この記事です。私にはとてもマネのできない格調高い文体で、恐ろしく長い思考経過を書いているのに、答えは「将棋には人智やコンピュータでは到達できない棋理が隠されているのではないか」や「大棋士同士でなければ3連敗3連勝自体起こりえない」と超科学の次元に突入しています(ちなみに、3連勝4連敗は木村VS深浦という、どちらも大棋士と言えない二人でも起こってしまいました)。これほどの文章を書ける教養のある人でも、中学生レベルの統計学の基本を習得できていないのは、日本人として情けないように思います。
上の科学的事実から演繹すれば、将棋より単純なチェスなら3連敗4連勝はもっと起こりにくいことは間違いありません。もし現実の対戦でそうなっていないとしたら、思考時間が将棋より短いためにケアレスミスが起こりやすい、あるいは、研究成果がすぐに広まってしまうのでプレイヤー同士の実力の差が小さい、などの要素があるからです。
もっとも、2011年か2012年には将棋ソフトが羽生氏を追い越したことが統計的に証明されているのに、将棋について数十時間、数百時間も考えているはずのプロ棋士ファンが何年間もその科学的事実を理解できなかったことを考えれば、上のようなプロ将棋ファンの非科学的思考はなにも驚くべきに値しないかもしれません。

バンクーバーは世界最高の英語学習都市その2

前回の記事に書いた通り、バンクーバーは世界で最も語学学校が多い(と思われる)だけあって、英語を学習するためのインフラも充実しています。まず、ホームステイ先が豊富です。バンクーバーの住宅では、最初からホームステイの学生を受け入れる部屋を地下に3部屋から5部屋も作っていることがあります。というか、それが普通かと思うくらい、やたらと地下室を作っています。7,8年前、私はゾーン1(都心に近い地域)のフィリピン人家庭に3食付き(ただし、昼食は夜食の残りりをパックに詰める)1ヶ月750ドルで住んでいました。
また、バンクーバーは日本人が多い都市です。だから、(留学初心者は何度言われても半信半疑になってしまうでしょうが)日本語だけで暮らすことも可能です。語学学校なんて、バンクーバーに来てから選んで大丈夫です。いえ、むしろそうするべきです! なぜなら、jpcanadaがあるからです。カナダにいる日本人留学生全員がネットで利用しているとも言われるjpcanadaは、本来、バンクーバーの語学留学斡旋所です。語学学校にしても、バンクーバーに来たら体験授業を受けられますし、jpcanadaを利用すれば、日本の留学斡旋会社を通すよりも、安く入学できます。私が最も勧めるカンバセーションクラブは利幅が少ないので、日本で紹介している留学斡旋所なんてありませんし、少なくとも7,8年前は、日本語や英語だとネットでカンバセーションクラブの情報収集をするのは無理でした。
結論としては、ネットのjpcanadaかhomestay finder(英語ですが、私はいつもこれを使っていました)あたりでホームステイ先を決めて、バンクーバーに来てから、カンバセーションクラブを探すとベストだと思います。
なお、現地の家庭と一緒に過ごすホームステイではなく、留学生同士で大きい家の部屋を分けあうシェアハウスをする日本人も多いです。大抵、日本人はホームステイを3ヶ月程度してから、シェアハウスという流れでした。私は食事を作る時間がもったいなかったので、ずっとホームステイでした。
ところで、バンクーバーに限らず西洋先進国では、日本の感覚でコンビニ生活していると食費がすごい額になりますし、1食600円でお腹一杯になる定食屋なんてありません。よほどの金持ちか小食でない限り、長期留学中の食事については、自炊するかホームステイするかの二択だと思っていいでしょう。
また、注意してほしい点ですが、カンバセーションクラブはjpcanadaを通して入学契約することは可能ですが、紹介手数料が少ないので、jpcanadaでも紹介するのは嫌がられます。カナダ留学中に、ビザの取得や日本人留学生同士のピザパーティーなどjpcanadaはなにかとお世話になる可能性の高い場所なので、そちらは意識して、失礼のないようにjpcanadaの職員と対応した方がいいでしょう。
「現地でカンバセーションクラブを探すなんて自分には無理。英語なんて全くダメだから」と心配な方は日本でネットのjpcanadaを通して、最初の1~3ヶ月だけ語学学校を斡旋してもらうのも手です。そうすると、jpcanadaを情報交換の場として遠慮なく利用できますしね。
前回、カンバセーションクラブの利点ばかりを述べましたが、欠点もあります。生徒が韓国人と日本人くらいしかいないことです。世界中、ほとんどの語学学校で日本人と韓国人が最も多いのですが、カンバセーションクラブは極端で、その2ヶ国しかいない場合が普通です。いても、他の国の人は5%程度です。語学学校でも日本人が50%を越えている場合もありますが(特に初級クラスに日本人が多い)、探せば、サウジアラビア人、台湾人、タイ人、ベトナム人などがいる語学学校もあります(バンクーバーで最も多い外国人である中国人とインド人は現地の学校に行っているため、語学学校にはほとんどいません)。クラスの日本人・韓国人グループが苦手だと言っていたサウジアラビア人と、私だけは仲良くなって、1年後、偶然バスで一緒になった時、向こうから席を立って話しかけてくれたときは嬉しかった、なんてこともありました。カンバセーションクラブや一部の語学学校のように日本人と韓国人が大部分だと、日本人と韓国人が同じグループになることはまずないのですが、日本人や韓国人がそれぞれクラスに2,3人しかいないと、同じグループになるのは、興味深かったですね。
そんなわけで、英語学習効率でいえば語学学校よりカンバセーションクラブが有効だと思いますが、せっかく多民族国家カナダで勉強するのなら、多民族のいる語学学校を最初に選んでみるのもいいと思います。

バンクーバーは世界最高の英語学習都市その1

世界で最も語学学校が多い都市は、おそらくバンクーバーでしょう。5年くらい前の話になってはしまいますが、少なくとも100、小さいものまで含めると200あるとも言われていました。数が多いだけでなく、質も高いです。バンクーバーからトロントなど他の都市に移った私の知人は例外なく、バンクーバーの語学学校の方がよかった、と答えています。
しかも、バンクーバーが世界最高の英語学習都市である最大の要因は、語学学校ではありません。カンバセーションクラブがあることです。カンバセーションクラブとは、先生1人に対して生徒2~4人の少人数での対話教室です。通常、語学学校ではネイティブの先生1人に対して、生徒は10~15人です。先生1人が生徒と話していては、効果的な授業にならないので、どうしても生徒同士で話す機会が多くなります。これだと、こちらの英語に間違っていても、相手から指摘されることはほとんどなく、間違った英語を身に着けてしまうこともあります。一方、バンクーバーのカンバセーションクラブでは、先生が生徒の英語のミスを紙に書いて、最後にコピーして生徒全員に配ってくれます。これだけ素晴らしいシステムなのに、語学学校よりも単位時間当たりの費用が安いのです。5年くらい前の相場だと、1.5時間1コマの週5回4週分(=30時間)で、250ドルです。1時間10ドルを切るのです。私の知る限り、このカンバセーションクラブは世界広しといえども、英語圏の国ではバンクーバーしかありませんでした。
日本にもある、似たようなものとして、英会話クラブやNOVAのvoiceやskype英会話もありますが、全部経験した私からいえば、時間あたりの学習効果ではバンクーバーのカンバセーションクラブに勝るものはないと思います。やはり、ネイティブの国でネイティブから学ぶのは、日本で学習するよりも段違いに効果があります。
その分、留学費用がかかるのは事実ですが、実はその面でも、バンクーバーは他の英語圏の都市よりも語学留学に適しています。次の記事にそれを示していきます。

「三大〇〇」は日本だけの都市伝説である

世界三大宗教を知っていますか? キリスト教、イスラム教、仏教です。私の高校の世界史の先生が真顔で教えていたこともあり、また、どれだけ世界史を勉強してもその選別が妥当なような気がしたので、私は世界三大宗教がこの三つであることに疑いを持ったことがありませんでした。カナダの語学学校で私が「世界三大宗教」の話をして、「それはなんの基準? 人口? それとも歴史の古さ?」と先生を含めた全員から問われて、始めて「いや、どちらでもないけど、強いていえば、世界史全体への影響力? もちろん、そんなの客観的に定義できないけど」と疑問を感じました。そこにはキリスト教徒(カナダ人など)も、イスラム教徒(サウジアラビア人)も、仏教徒(タイ人)もいたのに、誰一人「世界三大宗教」という言葉自体知らなかったので(より正確には母国にそんな概念が存在しないので)、「世界三大宗教と言いながら、世界中の誰も知らないじゃないか」と笑われ、赤っ恥をかきました。
「世界三大夜景」「世界三大美人」「世界三大珍味」などの言葉は、世界と言いながら、ほぼ全て日本だけでしか通用しません。世界三大宗教も、どんな基準でなんのために定めたのか、日本語版wikipediaにも書いていません。つまりは都市伝説です。よく考えたら、そんな主観でしか決められない非科学的な概念が、世界的に普及しているわけがなかったのです。そういえば、世界史の先生が授業中に「世界三大宗教」と言っていたものの、教科書やセンター試験の問題などで見た記憶はありません。
「先生ではなく、教科書を信用すべきだった。文科省公認の教科書なら非科学的な都市伝説に惑わされたりしないから」
そう考えていたのですが、しばらくして、教科書にもそんな都市伝説が堂々と載っていた事実があることを知りました。大学生以上の方なら、「ルネサンス三大発明」や「日本三急流」を覚えている方もいるでしょう。さらには、現在でも「日本三景」や「東北三大祭り」を知っていることが一般教養と思われ、入社試験などに出たりします。それらは全て客観的な基準で選ばれているわけではなく、いつの間にか、みんなからそう言われるようになった、というものです。
こんな都市伝説を覚えることなんて、教養でもなんでもありません。もっと科学的に考えましょう。
なにを基準に選んでいるんですか? 客観的に決められる基準ですか? ちゃんと統計調査をしたんですか? 日本三景なら、観光客の数ですか、それとも、国民のアンケート調査ですか? 観光客の数なら、どう数えたんですか? アンケートなら、どんな質問だったんですか? いつの調査ですか? 
「三大〇〇」と聞いたら、そんなことを考える習慣をつけるべきです。客観性な基準もない「三大〇〇」を覚えることが教養だと思われている変な国なんて恥ずかしいです。私のように非科学的思考を持つ日本人を増やすことにもなりかねないので、統計基準のない「三大〇〇」という言葉の使用はやめましょう。

| ホーム |


 ホーム  » 次のページ