記事一覧

現代日本は死と向き合わなくなったのか

救急外来におばあさんが運ばれてきました。警察も着いてきています。患者さんと一緒に警察が来ることは、それほど珍しくありません。なんらかの犯罪に巻き込まれて、その関係者が病人やケガ人だと、逃亡を警戒しているのか、警察も病院まで来るのです。個人情報を安易に伝えることは控えるべきなので、警察が犯罪事情を医療者側に伝えてくれないこともありますが、今回は違いました。そのおばあさんは、遺体とずっと一緒に暮らして...

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受験場でお祭り騒ぎする国民

知っている人もいるでしょうが、韓国では大学受験時、母親たちが寺や教会に集まって祈る、という異常な文化があります。本当なのか、どれくらいの母親がそんな奇妙な習慣を実行しているのか、と韓国人に聞くと、言いにくそうな顔で「本当だ。まあ、全ての韓国人の母がしているんじゃないか」とその韓国人は答えていました。日本でも入学試験時に、校門の前で塾の先生たちが集まって、お祭り騒ぎする妙な文化がいつの間にか浸透して...

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自殺者を嘲笑う者たち

また自殺者が運ばれてきた。自分より若い。30代で既婚。妻がついてきている。幼い子どもが一緒だ。妻は泣いてばかりで、夫の心臓マッサージを見ることもできない。子どもはお母さんが泣いているので、訳も分からずキョロキョロしている。自殺から数時間は経過しているようだ。結局、男が息を吹き返すことはなかった。その数十分前、こんなことを医者や看護師が話していたと知ることができたなら、男はどう思っただろう。「自殺した...

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一党独裁を批判された中国人の反論

中国人の理屈の見事さを示す、あるいは完膚なきまで相手を叩きのめす一例です。伝聞になりますが、日本人から中国の一党独裁を批判されたとき、中国人が以下のような反論をしたそうです。「中国は多党制だ。小なりとはいえ、共産党以外の政党も存在している。確かに、共産党以外の政党が実権を握ることはない制度になっているが、それは日本でも同じではないか。自民党の長期独裁政権だ。唯一、選挙によって政権交代が起こったと言...

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中国人の平気的な性格は「橋下徹」である

「中国人の愛国心は低い」の記事で、「中国人はまるで橋下徹のように論争する」と書いてから、ふと「論争に限らず、中国人は橋下徹のような性格と考えるといいかもしれない」と思ったので、書きます。1、プライドが高い2、絶対に謝らない3、相手の気持ちを考えずに徹底して批判する 4、常識や良識にとらわれずに発想する5、自分のペースに論争を持ち込むこれらの橋下徹に特徴的な性格は全て、平均的な中国人と共通しています...

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中国は全体主義国家なのか

私の持つ広辞苑(第五版)によると、全体主義は「個人に対する全体(国家・民族)の絶対的優位の主張のもとに諸集団を一元的に組み替え、諸個人を全体の目標に総動員する思想および体制」と書いています。確かに、中国は共産党独裁政治が行われています。共産党の権力は強大で、その前では個人の基本的人権など物の数ではありません。ただし、国家組織が中国全土を意のままに動かしているかというと、全くそうではありません。地方...

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ヤクザを忌避する若者たち

最近の若い世代を「ゆとり世代」と見下している大人は多いでしょう。私もその一人ですが、ゆとり世代がその前の「不良世代」より道徳的に遥かに優秀だと思った事件があります。私が塾でバイトしている時、その塾の先生が怖い、特に教室長や塾長が怖い、と生徒たちが言うので、私が冗談で「この塾はヤクザじゃないから。怖い人ほど出世するわけじゃないよ」と笑いながら言いました。しかし、その冗談は生徒たちに全く通じず、場の空...

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中国人の愛国心は低い

愛国心を定義することは難しいでしょう。現在のネトウヨを中心とした「愛国的な日本人」は、周知の通り「日本の政治」や「日本人」の批判ばかりしています。日本が素晴らしい国で、日本人が素晴らしい国民だと信じていないのでしょうか? もし現実の日本の政治がおかしく、現実の日本人が間違っていると非難するなら、少なくとも「現実の日本」を愛していないこと、つまり「現実の愛国者」でないことを自覚すべきです。もし現実の...

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カナダ生まれの中国人(CBC)

私が滞在したバンクーバーの人口のうち20%は中国人でした。バンクーバーだけかもしれませんが、「Chinese pass」という言葉があります。中国人の母が子どもに要求する特別に高い通過点のことです。例えば、学校の公式及第点が60点だと、中国人の生徒なら90点以上の成績をとらないと、母親は納得しません。日本人の感覚でいえば、カナダにいる中国人母はほぼ全員、スパルタ教育ママです。そんなスパルタ教育の成果なのか、バンクー...

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中国の受験戦争

中国人インテリに中国で会いました。ごく普通のインテリで、飛びぬけたインテリではありません。中国で上から30番目くらいの大学を普通の成績で卒業しています。それでも、日本だと私立最上位の大学を平均の成績で卒業したインテリよりは、学力が高かったと思います。彼女は中学校まで、学年でほぼ毎回一番の成績をとっていたそうです。それだけあって、その地方で最も優秀な高校に進み、親元離れて寮生活を始めました。中国では高...

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日本の漢字を読めない一部の中国人とは?

「中国では会話できなくても、漢字が通じるから、まだ救われるよね」私が中国に行く前に、そんなことを言われました。実際に中国に滞在した経験からすると、それは8割ほど正しく、2割ほど誤りでした。日本の漢字を理解できない中国人が2割程度いたように、私は感じています。「中国の愛には心がない」にも書いたように、日本の漢字と、中国の簡体字は少し異なり、同じ字でも両者で全く違う形になっていることも、しばしばあります...

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医学生はバカではなかったようです

「一夜漬けでテスト合格したぜ!」「え~。すご~い!」わざわざクラスメートに聞こえるように、こんなバカな自慢をする医学部1年生がいて、それを褒めるバカな女がいました。高校生までは同級生の中で文句のつけようのない学力を持っていたので、そんな自慢も許されたのかもしれません。しかし、今周りにいる連中は、同じ程度の学力を持つ、プライドだけは高い医学生たちです。すぐにこんな陰口が叩かれます。「全く勉強しないで...

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インドで3名日本人が集まると

日本人がインドで騙されずに旅行するのは極めて困難です。もし騙そうとするインド人に会わずに旅行したければ、ボディーガードが必要です。ボディーガードなしなら、騙そうとするインド人に会わずにインドを旅行するのは不可能だと認識しておくべきでしょう。実際、インドで3名日本人が集まると、騙され自慢大会が始まります。「デリーで到着直後に、笑顔が素敵なインド人に騙された!」「電車でアグラに着いた途端に寄ってきたイ...

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バンクーバーは過ごしやすく美しい都市

新大陸の都市、特に新しい西海岸の都市の多くは、気候に恵まれた土地を選んで開発されたそうです。バンクーバーも自然のキレイな都市で、冬はスキーができ、夏は海で泳げます。春の一時期は、スキーで山を下りて、同じ日に海に行って、マリンスポーツを楽しむこともできる、と地球の歩き方に書いてありました。もっとも、これは都市伝説に近く、現実に1日のうちにスキーとマリンスポーツで遊ぶ、あわただしい人に会ったことはあり...

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カナダの冬に3人集まると

カナダの冬に人が3名集まると、寒さ自慢大会が始まります。「この前エドモントンに行ったらよお、ネガティブ30度(マイナス30度のこと)で、くしゃみが凍ったぜ」「イエローナイフなんてネガティブ40度で、車の取っ手から手が離れなくなって、中に入れなくなったわよ」そんなウソか本当か分からないような自慢話で盛り上がります。私はカナダに住むまで、いくら寒いカナダでもマイナス30度なんて何年かに1度、ごく寒い地方で観測さ...

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いじめから社会復帰した医師なのに

いじめを受けて、親の財布からお金を盗んだ過去を持つ医師A氏に会ったことがあります(今の若い世代は信じられないかもしれませんが、現在30代や40代の人なら、親の財布からお金を盗むように強要された過去を持つ者は1万人以上いるでしょう)。A氏は医学部でも友だちができず、過去問が回ってこなかったので、卒業までに10年かかっていました。なお、医学部では過去問が回ってこないと留年するのは必至です。私はA氏とすぐ友だちに...

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神と自分を並べる思考

クリスチャン「あなたは神を信じるの?」私「う~ん。信じていないだろうね」クリスチャン「なら、自分を信じているわけね?」私「は????」こんな会話を外国人と交わした人は多いでしょう。その真意をすぐに理解できる日本人は少ないはずです。クリスチャンは「神がいるから、この世界が存在して、だから私も存在できる」と考えているようです。より厳密にいえば、セム系宗教であるユダヤ教、キリスト教、イスラム教では、この...

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恵まれている自覚のない者たちの国

また反抗してしまった。なにやっているんだ。相手は上級医なのに。こんなことして、自分の得にならないことくらい、分かるだろう。バカか、俺は。だけど、どうしても我慢できないことはある。医師であるのに、自分がいかに恵まれているかに気づいていないことだ。当たり前だが、高給の医師である時点で恵まれているし、医師になれるほどの学力を持てたことも恵まれている。誰だって他の人より高い学力がほしいが、いつの時代もそう...

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教養本のすすめ その4

現在、私は医師になった。当然、恵まれた地位にいることは自覚している。もっとも、恵まれた地位にいることをほとんど自覚していない、私以上に恵まれた医師は日本に無数にいる(私に言わせれば、そんな奴ばかり医師になる社会を日本人が許容しているからだ)。ブラック企業にいた頃の同僚について、たまに近況を知ることがある。「若者と労働」(濱口桂一郎著、中公新書ラクレ)に書かれている就職超氷河期時代に見事にはまってい...

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教養本のすすめ その3

とはいえ、私の読書歴は迷走していた。素晴らしい知性が詰まっていると信じた哲学書を全く理解できないまま終わったり、質より量を目指して絵本を買い漁ってみたり、海外旅行ガイドブックを集めて多くの国に訪問した気分になってみたり、英語の本を買ってみたものの三ヶ月たっても十ページしか進まずに挫折したりしていた。これで本当にいいのか、といつも疑問に感じていた。知識は増えているのか。視野は広がっているのか。私の人...

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教養本のすすめ その2

精神的な理由から、大学時代に就職活動をしてない私は恵まれた仕事に就くことなどできなかった。いわゆるブラック企業で働いて、毎日、パワーハラスメントに耐えていた。もちろん、尊敬できる上司など一度も会ったことがない。同僚たちとも価値観が合わず、テレビの話題に一人だけついていけない私は変人扱いされていた。仕事でストレスがたまっているのに休日になぜ読書ばかりしているのか、と同僚に問われて、私は前回の記事の冒...

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教養本のすすめ その1

自分一人で経験する世界は限られる。読書を通じて知識を効率的に得ていけば、より広い世界を知ることができる。それはより豊かな人生に繋がる。私が悩み多き思春期に何年も人生について考え抜いた末にようやく到達した結論である。だが、情けないことに、この理想には問題があった。私は言語能力に乏しかったのである。本を読むスピードは極めて遅く、大学は理系で、趣味はテレビゲームであった。それまでに読んだ本の数は、それま...

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日本の教科書は西洋の教科書よりコンパクトで便利である

大学に入ると、世界標準の教科書を使う学部があります。医学部などの生物系はまさにそうで、「Essential細胞生物学」を購入させられた日本の大学生は毎年何名もいます。大抵は英語原著ではなく日本語版で学習しますが、それらの教科書を見て、まず違和感があるのは本の大きさでしょう。高校までの教科書は小さくて持ち運びやすかったのに、大学の教科書はなぜか大きくて重いです。実は西洋だと高校生以下でも、あの大きさの教科書...

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日本の医者社会では年功序列が徹底している

儒教の影響のせいか、日本では長幼の序が浸透しています。その日本の中でもさらに年功序列が徹底している社会が医者の世界です。医学部再受験生(他の大学で学んだ後、医学部に入学する人)たちは「医学部ほど学年差の序列が激しい学部はないね」とよく噂していました。もっとも、そういう医学部再受験生たちも医者になる頃には、医者の年功序列社会にすっかり染まってしまいます(私も染まっていると思っていますが、まだまだ染ま...

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東大医学部合格者に天才はいない

「公文は日本最大の飛び級制度なのか」の記事にも書いた通り、東京大学医学部合格者と聞けば、多くの日本人は「天才」と思ってしまうかもしれません。しかし、東京大学医学部卒業生は明治以来1万人以上いますが、ノーベル賞受賞者は一人もいません。もっと広げて、日本最高の受験エリートである旧帝大医学部合格者は7万人以上いますが、既に20名もいる日本人科学系ノーベル賞受賞者の中には一切入っていません。日本人の医者でノー...

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公文が最も浸透している外国

前回の記事の続きです。アメリカにも公文はあるようですし、私はニュージーランドのオークランドの街中で公文教室を見つけたことがあります。ネットで調べても西洋の多くの国に公文はあるようですが、私の出会った西洋人に公文を知っていた人はいませんでした。公文以前に、西洋人は塾を知りません。和英辞書で「塾」を引くと「cram school」と出てくると思うのですが、そのcram schoolが通じません。西洋人「cram school? なにそ...

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公文は創造力を減退させるのか

「理系の子 高校生科学オリンピックの青春」(ジュディ・ダットン著、文芸春秋)には、アメリカにもある公文について記述されています。近所のおばさんたちの間で「公文は素晴らしい」と評判なので、実際に見学してみると、子どもたちがひたすら問題を解いているだけでした。「こんな教育で考える力がつくはずがない」と思ったお母さんは、子どもを公文に通わせずに自主学習させることにしました。お母さんの教育観は正しく、その...

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公文は日本最大の飛び級制度なのか

「東大理Ⅲ」という本があります。東大理Ⅲ≒東京大学医学部に合格した人たちだけの合格体験記です。同じ出版社の「東大文Ⅰ」という東大法学部合格体験記もありますが、こちらのサブタイトルが「国家を託される若者たち」であるのに対して、「東大理Ⅲ」のサブタイトルは「天才たちのメッセージ」です。東大理Ⅲに合格した安川佳美という人は、その著書を読めば、極めつけのバカであることは火を見るよりも明らかなので、東大理Ⅲに合格...

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教育は芸術から科学になるべきである

教育についての推定50冊程度の教養本と、私の実体験からの主張です。教育学は医学と比較したら、まだまだ科学になっていないような印象が強いです。もう少し詳しく述べると、統計学的研究がほとんど行われていないと感じます。多くの教育学者は、自分の経験や自分に都合のいい科学的事実を元に自分の観念論を主張しています。その程度の主張なら素人の私でもできます。教育学を職業としている人なら、後世まで参考にできる科学的な...

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自分の都市の人口は覚えておくべきである

日本でも初対面の相手には出身地をよく聞きますが、海外でも当然聞きます。「日本です」「日本のどこ?」「仙台です」といった感じです。海外の人でも東京の知名度は100%です。私の経験談だと、1番手から遠く離れて2番手に出てくる都市が京都、大阪でしょうか。名古屋になると、まず知っている人はいません(韓国人と中国人は名古屋でも知っていたりします)。相手が知らない都市の名前をあげると、次に出てくる質問が「その都市の...

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医師志望動機の日本の特異性

私が人生で出会ったあらゆる医師、医学生の建前ではなく、本音の志望動機は「大金を稼げる仕事だから」と「エリートコースだから」のどちらかでした。もちろん、私もそうです。海外では圧倒的に「お金」が医師志望動機でした。私の知る海外の優秀な医学生はほぼ全員、より高い給与を求めて、母国の外で働くことを希望していました。もっとも、私の知る限り、医学生だけでなく、優秀な学生が海外に出るのは、日本以外、世界中で共通...

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「読み書き算」が格上教養で、世の中の知識は格下教養なのか

カナダの教科書を見ると、数学の教育内容が簡単すぎる一方で、理科や社会の教育内容が充実していることに驚きます。私はアメリカの小学校1年生の教科書を購入したことがあるのですが、「アメリカの歴史」について紀元前から現代まで書かれていることに衝撃を受けました。日本では小学校から高校まで、「読み書き算」である英語、国語、数学が主要科目とされ、理科と社会は暗記科目として格下扱いされています。おそらく、どの国で...

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バイトを否定する親を理解できないカナダ人

カナダのカンバセーションクラブで、高校生の子どもがいる日本人と一緒のクラスになりました。その母親はこんなことを言いました。日本人母「うちの息子は高校生になったら、バイトしたいと言い出した。バイトなんかしないで勉強しろ、と言っても聞いてくれなかった」カナダ人「なんでバイトを禁止するんだ? いい社会経験になるから、やらせるべきだ」日本人母「別に高校生のうちにしなくてもいいでしょ? 頭の吸収力がいい若い...

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「私立だと少人数教育」は世界の常識

私「日本だと小学生の段階から受験勉強を始める。いい大学に入る高校はだいたい私立だ」カナダ人「カナダではそんなこと全くない。公立と私立でそんなにクラス人数が違うの?」私「いや、クラス人数はあまり変わらない。むしろ、私立の方がクラスの生徒数は多い」カナダ人「え???? 私立なのに大人数教育? 意味が分からない」私「よくそう言われる。でも、日本だとそうなんだ」カナダ人「それじゃ、なにがすごいの? 先生?...

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中国の愛には心がない

現在の中国は簡体字を使っています。中国人は日本の漢字を「古い文字」と呼んでいました。古い文字とは、いい意味ではないでしょう。残念ながら、私の知る中国人に日本の漢字を称賛してくれた人はいませんでした。一方で、中国の簡体字を称賛している日本人にも、私は会ったことがありません。「雑な漢字」、「美しくない漢字」といった評価が多かったように思います。その中でも私が失礼極まりないと思った言葉は、タイトルの「中...

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国立医学部と私立医学部の学生の違い

日本の医学部を二つに分けると、国公立医学部と私立医学部に分かれます。国立は教授が自分の趣味のように現場の医療の役に立たない授業を行い、私立は医師国家試験合格を最優先した授業を行います。国立では基礎科目や研究を重視しますが、私立は臨床科目を早いうちから学習します。国立は医師の子どもが3割くらいだと思いますが、学費の高い私立は医師の子どもが9割くらいでしょう。国立は他の学部に合わせて長期休暇が長いのです...

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カナダでは進路指導が単位

私がカナダで家庭教師していた時、現地の学校に通っている高校生から聞いた話です。なんと、カナダでは進路指導が単位なのです。英語や数学同様、進路指導を担当する先生がいて、その先生は担任の先生とはまた別にいます。日本のように担任の先生は主要科目も教えますが、進路指導の先生はそれ専門か、心理学などのマイナーな選択科目を教える程度で、主要科目は教えていないそうです。驚いたのは、進路指導を希望しない場合、わず...

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日本の病院で毎日起こっている出来事

おばあちゃんが叫んでいる。大腿ヘルニア。嵌頓している。手術すると負担が強い。腹をメスで切りたくない。医師が手での整復を試みる。おばあちゃんはそれが痛くてたまらない。腸をつねられているのだ。無理もない。「やめて! やめて! やめて! なんでやめてくれないの!」本人は必死に全力で抵抗しているのだろうが、80才近い年齢である。看護師たちが複数人かかれば簡単に拘束できる。信じられない話だが、このおばあちゃん...

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医学部生はクラブ活動に人生をかける

私が医学部に入るまでは知らなかったことです。国立と私立で軽重の差はあるものの、医学生はクラブ活動に全力を尽くします。勉強は二の次です。以前の私も含めた実態を知らない人は「医学部は勉強が大変」と思っているかもしれませんが、全くの誤解です。私が医学部の先輩たちから最も多く聞いた助言が「医学生のうちに遊んでおけ」になります。その理由は「医者になったら忙しくて遊べないから」です。「借金してでも遊んでおけ」...

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カナダで会った元小学校校長

カナダのカンバセーションクラブで一緒になった日本人のおじいさんがこんなことを言いました。「私が残念なのは、日本の直接税がおかしくなったことだ。昔は所得の多い者から多くの税を徴収していたが、現在は所得の多い者からあまり税を徴収しなくなった」そう言うおじいさんは、着ている服や所作から所得が多いように見えます。そう思って私がおじいさんに職業を聞くと、「中国の大学で日本語を教えている」と言います。(なに?...

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カナダで会った日本の官僚と私の差

以前に書いた木曜会で、文部官僚に出会いました。東大法学部卒業で国Ⅰに合格し、絵に描いたようなエリートコースを進んできています。私と同年代で、UBCに留学している方でした。私から声をかけて、彼とは明るく英語で話していたのですが、彼が「UBCの学生ですか?」と聞いてきて、私が「そうだったらよかったのですが、ただの語学学校に通っています」と答えて、さらに私の前職まで伝えると、「あ、そう」とそっけなく言われ、以...

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カナダで会った日本大使と財務官僚

私は社会の底辺をさまよっていたので、財務官僚や外務官僚といえば、雲の上の存在です。本ではよく出会う人物ではありましたが、実際に出会うことなど私の人生でないだろうと思っていました。しかし、カナダで予想外に会うことができました。一人目は、駐カナダ日本大使です。上海では推定90%の日本人が「日本人密集区画」に住んでいると思うのですが、バンクーバーでは日本人密集区画はほとんどありません。ダウンタウンにある日...

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木曜会

Jpcanadaや日加センターと並んで、バンクーバーで私の交流を広げてくれた組織が木曜会です。木曜会はjpcanadaや日加センターと違って、カナダ人と日本人共に参加者の年齢層および知的水準が高いです。南極に行ったことのある人と財務省官僚なんて、私の生涯で木曜会以外では会っていません。その南極に行ったことのある日系人には、前回の記事に書いた「シャクルトン」を観て南極に憧れているとメールを送ると、きちんと返信してく...

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シャクルトン

「最も好きな映画は?」の答えから、相手のおおよその年齢が推定できる、という説を読んだことがあります。どんな人にとっても青春時代に観た映画が最も面白いので、それが何年前の映画かを調べれば年齢が分かる、という理由です。自分に当てはめて考えてみると、確かにそうかもしれない、と思います。最も好きな映画は決めづらいものの、最も好きなテレビ番組なら、10年以上も変わっておらず、「シャクルトン~南極海漂流からの生...

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I detest my parents.

「detest」という単語は一般的ではありません。私も上の文以外で使ったことがなく、他人が使っていることを聞いたことは一度もありません。憎むhateよりもさらに強く憎む対象に使うようです。カナダで「人生で最も後悔していることは?」と聞かれて、こんなジョークを言ったことがあります。「もちろん、生まれてきた直後に、母親を殺さなかったことだ。出産間際で相手は疲れていて、近くにメスだってあったのに、あの絶好のチャン...

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マリファナのブラックジョークはアジアで通じない

前回の記事を書いていた時、ふと思い出したのですが、バンクーバーにはマリファナデイといって、市の美術館前にマリファナ愛好者が集まって一緒に吸うイベントまであり、それを地元新聞が一面で報じていました。そんなバンクーバーなので、私は何度もマリファナの臭いを嗅ぎ、帰国後もマリファナの臭いが分かるようになってしまいました。マリファナを嗅いだ場所で一番印象に残っているのは、私のホームステイ先の隣の家です。40代...

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マリファナは自由の象徴

保守的な人や高齢者は違いますが、一般にカナダ人はマリファナが好きです。特に革新的な若者にはマリファナファンが多いです。優秀なUBCの学生にさえ、熱烈なマリファナ擁護者がいたりします。これには多くの良心的な日本人が面食らいますが、品の悪い日本人は好奇心などからマリファナを吸います。最初、カナダ人がマリファナを擁護する理由を私は全く理解できなかったですし、したくもなかったです。カナダではマリファナの売買...

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アダム・スミスは哲学者、「aとtheの違い」は哲学本

UBCの学生との会話です。学生「アダム・スミスは哲学者なんだ。国富論は彼の他の哲学書を読んでいないと、本当のところは理解できない」私「え! 日本だとアダム・スミスは紛れもない経済学者だ」学生「もちろん、カナダでも経済学者だ。ただし、当時は経済学なんて分野もなかった。彼自身は経済学者というより哲学者だと自分を認識していた。国富論も、哲学的視点、あるいは倫理的視点を持って読まないと、大きく誤解される」ア...

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なぜ中国とインドは今頃経済成長しているのか

15年ほど前、中国とインドはなぜ今頃急激な経済成長を遂げているのか疑問に思ったことがあります。中国もインドも第二次大戦後すぐに独立しています。日本のGHQ占領期の独立よりも早い時期です。独立後、日本はすぐに高度経済成長期に入って人口爆発は終わったのに、中国は1980年代まで人口ピラミッドは発展途上国型で、インドに至っては2010年くらいまで人口ピラミッドは発展途上国型でした。現在の中国やインドの最大の強みであ...

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計画経済を知らない中国人

ある一定以上の年齢層で大卒なら計画経済と言えば、どんなシステムなのか理解しているので会話がスムーズに進むのですが、私より少し上くらいの世代になると経済学部卒でもなければ計画経済の意味を理解しておらず、私より下の冷戦終結後に生まれた人になると経済学部卒でも計画経済という言葉はまず通じません。日本人ならそれも納得できるのですが、10年ほど前、私と同年代の一流大学卒業の中国人でさえ、計画経済を全く知らない...

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