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後藤新平は関東大震災後の復興で大失敗している

日本に医師免許を持った首相はいまだ一人もいませんが、首相に最も近づいた医師は後藤新平でしょう。下のように医系技官の募集のポスターとして公式に使われており、その業績は半ば神格化されています。
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神格化というのは決して誇張ではありません。「後藤新平:大震災と帝都復興」(越沢明著、ちくま新書)という本まで出ているからです。しかし、「帝都復興の時代」(筒井清忠著、中公文庫)を読めば分かる通り、後藤新平は帝都復興計画で大失敗しています。後藤新平の無謀な政略のせいで、復興院は派閥争いがひどくなり、半年ももたずに廃止されています。復興院に代わる内務省の復興局は腐敗にまみれ、一大疑獄事件を起こしています。復興局の腐敗は呆れ果てるばかりで、この疑獄事件こそが昭和恐慌時に五一五事件や二二六事件を生む土台になった、と「帝都復興の時代」では推測されています。最後の推測はともかく、後藤新平が下手な政略をしかけ無様に負けて、そのせいで復興院がほとんどなにもしない間に半年で廃止され、復興院の代わりの復興局が大疑獄事件を起こしたことは、当時の新聞を調べれば簡単に分かる歴史的事実です。
つまり、後藤新平は大震災後の帝都を全く復興させていません。しかし、「後藤新平:大震災と帝都復興」という本が2011年の東日本大震災後に出版されているのです。神格化以外のなにものでもないでしょう。
帝都復興計画の失敗は、事実上、後藤新平の政治生命を終わらせています。この失敗さえなければ、当時から大人気の後藤新平なら首相にまでなっていたかもしれません。それくらいのひどい失敗です。にもかかわらず、なぜ「後藤新平は帝都復興を素晴らしい計画で主導した」という神話ができてしまったのか、誰か調べてくれませんか。
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