ground rules

“Let’s set some ground rules!”
海外経験のある方なら、このフレーズを何度も聞いたことがあるでしょう。「ground rules」とは、みんなで話し合って決めるグループ内の決まり、くらいの意味です。語学学校のクラスの最初や、国際的なワークショップの最初に言われることがしばしばありました。「時間を厳守する」「積極的に発言する」「みんなと協力する」などがground rulesの定番として、よく提案されます。
ただし、このground rulesは決めるだけで、守らない奴がたくさん出てくるのが普通です。ホワイトボードに書いたものの、いつの間にか消す場合がよくあるので、ground rulesの内容を忘れることも珍しくありません。当然、ルールを破ったチェックはろくに行われませんし、罰則はありません。決めることだけが目的なら、「ルール」と言うより「目標」、いえむしろ「願望」に近いのではないでしょうか。
「ルールと言うからには、ちゃんと記録して、違反を調べよう。罰則も決めよう」
私はそう提案しようと思ったことが何度かありますが、どう考えても場の空気を壊すように感じたので、いまだ一度もしたことがありません。
国際的なワークショップでは、ground rules作りのような一定の流れがあります。できるだけ体を動かす、グループ内で討論する、最後に講評する、などです。最近は日本のワークショップでも、その国際的な流れを取り入れているように思います。よくよく聞けば、どうもアメリカのMBAなどでも行われている手法らしいのです。
しかし、社会人経験のある方なら感じるでしょうが、はっきり言って、子供だましです。「稼ぐまちが地方を変える」(木下斉著、NHK出版新書)でも指摘しているように、ワークショップそのものは楽しくなるかもしれませんが、実質的な効果はほとんどない場合が多いです。
「ワークショップの進め方」に限らず、「英語の文章の書き方」、「パワーポイントでの発表の仕方」、「新しい発想の求め方」などを、私はカナダで教わりました。そのほとんどは「当たり前のこと」か「別にこだわらなくてもいいこと」でした。
「国際標準だから」、「ハーバードで使われているから」、「MBA流だから」などの理由で、形式だけを金科玉条のように守ろうとする人はカナダにもいます。しかし、その真の目的を忘れて、形式だけ守っても、無意味な儀式になってしまいがちです。私は自分にも有益だと思えること以外、つまり、教えられたことのほとんどを無視していました。
ただし、ここがカナダ人の凄いところだと思ったのですが、本当に教養の高いカナダ人はせっかく教えた発表の仕方や、文章の書き方を私が無視しても、その内容が素晴らしければ、褒めてくれたことです。
そのため、「クラスの最初だから先生の性格が分からなかったけど、『罰則を決めないのなら、ground rules作りなんて無意味でしょう』と発言すればよかった」と後で思ったこともあります。
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