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中国の実態は誰も知らない

「中国メディア戦争」(ふるまいよしこ著、NHK出版新書)では、中国のインターネット事情を伝えると同時に、インターネットから分かる中国の全体像も伝えています。周知の通り、中国は新聞やテレビなどのマスメディアだけでなく、インターネットまで政府によって検閲されます。日本だと、大手の新聞を読んでいれば、(重要だから報道しているよりも、報道するから重要になる面の強い国なので)日本の実態をかなり正確に理解できます。中国だと、政府御用達の新聞やテレビに限らず、あらゆるマスメディアを通じても、中国の実態はなかなか掴めません。個人が情報発信できるインターネットを利用したところで、全体を把握する個人は少なく、正体不明の情報が入り乱れるので、中国の実態は分かりません。それでも、上記の本を読むと、中国の実態を知るには、新聞よりもネットの情報が有効のように思えてきます。政府がどのような情報を遮断するかを知ることで、実態を予想できるからです。それは中国ほどではないにしろ、どの国であれ、できることでしょう。
ところで、「世界で2番目に広い国は中国である」の記事や「中国史上最高の美女は西施」の記事を読んで、「そんなことは中国でありえない」「中国でそれは極めて特殊な経験だ」と感じた日本人は多いだろうと予想します。「中国はどんな国か?」の答えは、中国人だけでなく、日本人でも変わってきます。その返答の全てが正解の側面があり、間違いの側面があると私は考えています。中国の実態は、中国の政治家も中国のマスコミも分かっていません。外部の人(外国人)から見たら分かりやすいところもありますが、外部の人だからこそ分からないこともあります。
だからといって、中国について書いた本が役に立たないわけでもありません。たとえば、「すぐに役立つ中国人とうまくつきあう実践テクニック」(吉村章著、総合法令出版)は中国の(おそらく)大部分で通用する常識でしょう。「中国人はどんな食事でも温める」なんて、これを読むまで気づきませんでした。確かに、どんな安い食事でも、中国では必ず温めていました。その他にも、有益な中国に関する本はいくらでもあるはずです。ただ、どれほど長期間中国に住んでも、中国に関する本を何冊読んでも、中国の実態は分からないことは自覚しておいた方がいいと思います。
どんな人がどんなに時間をかけて体験や研究しても、その国の実態を完全に知るなんて不可能ですが、とりわけ中国ではそうです。
ついでにいえば、インドはもっとそうです。それについては、またの記事に書くつもりです。
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